BS21試乗記 (2001年12月の再録)

日本BTA様(http://www.fs21.com/)のご好意により、御徒町のFSセンターに設置されております
B777形を模したシミュレータBS21に体験搭乗させていただきました。


Microsoft Flight Simulator2000をシムベースとし、市販のヨーク、AP操作パネル、FMCのCDU等を配置しながらも
手作りの部品も数多く、製作されたスタッフの方々の意欲が大変強く感じられるものでした。






CRT Display(実機はFlat Display)とFMC・APのシステムには、Project Magenta製品を使用し、
家庭用PCを数台並列に接続してリンクさせ、それぞれの機能を忠実に果たす様に設営されています。

さて、実際に機長席に座り、飛ばしてみました・・・。

Flight Simulator2000のデフォルトB777がベースであるために、実機経験者からすると非常に大きな違和感が感じられる特性が
気になり、なかなか思う様に操縦が出来ません・・・。この点はアドオンの飛行特性ファイルへの変更、ヨーク・ラダーペダル
などのControl Deviceとの擦り合わせで比較的容易に解決できうる問題でした。

また、現時点ではProject Magenta側の各システムのリンケージにエラーが多く、APが飛行中に突然暴走したり、
FMCへの入力が消える等のトラブルにも見舞われました。
これはProject Magenta製品の日本語WindowsOS環境での動作上の問題点と思われ、製品改良でFixされる事が期待されます。

しかし、大きな画面で見る風景は家庭のPCでは全く体験できない迫力であり、手を伸ばして操作する各機器とともに
コックピットビルドの魅力が十分伝わってきます。




見事な出来栄えに感動・・・



先頃発売されたFlight Simulator2002では、Flight Simulator2000で苦渋を味わったグラフィックの動感も大幅に改良
飛行特性の再現も忠実性が高まっています。今後このBS21がFS2002をベースに生まれ変わり、Project Magenta製品の
アップデートを受ければより一層密度の高い完成されたマシンとなるでしょう。


この日本BTA社では「実機に忠実なアミューズメント・ライド 」という位置付けで、複数のシムマシンを製作されています。
モーションシステムを持つもの、ヘリコプター用もあり、それぞれ改良が続けられています。
しかし、”アミューズメント”というだけではない、訓練用としての側面も十分に持てる素地があるこれらの機器・・・。

ある国では軍の基礎訓練用にも家庭用Flight Simulatorをベースにした訓練装置が採用され、比較的低予算で大きな
効果が得られる物として注目されています。

日本BTA社の意欲と実力が是非多方面にて生かされることを期待し、ご発展をお祈りします。

最後に、誠にご親切丁寧なご対応を戴きました日本BTAの矢吹様はじめスタッフの皆様に御礼申し上げます。




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