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フライトシミュレータとの出会い(その1)

1997年9月5日

数日前、帰社するときに上野駅内の書店によった。この書店、駅構内にあ って、私の場合山の手線から常磐線に乗り換えるときにちょうど前を通る。そこ そこ大きい本屋なので、とっても便利。

それで文庫本の新書のあたりを見ていたら、トム・クランシーの本が出ているの を発見した。書名は「トム・クランシーの戦闘航空団解剖」。速攻で購入してし まった。トム・クランシーといえば、いわゆるテクノ・スリラーで有名な作家。 レッド・オクトーバーを追え、パトリオット・ゲーム、今そこにある危機は映画 化されたので、知っている人も多いとおもう。私はこの人の作品が好きで、邦訳 されたものはほとんど読んでしまった。

本の内容はまだちょっとしか読んでないが、非常に詳細まで踏み込んでいる。 「トム・クランシーの原潜解剖」も同じように細かかった。トム・クランシーは (普通の小説でも)本を書く前に恐ろしいくらい徹底的に調査をするそうだから、 とても読み応えがあって、かつ面白い。


さて、今回は花火の件は一旦中断して、私のフライトシミュレータとの出会いにつ いて書いてみようと思う。あまり専門的な話ばっかりだと読むほうも疲れるしね。 (書く方はもっと疲れるし)

私が一番最初にフライトシミュレータという単語を知ったのは確か中学生の頃、今 から 13年ほど前だった。当時パソコン系の雑誌は数があまり多くなく、私はもっ ぱら電波新聞社の「マイコン BASIC マガジン」を読んでいた。(読んでいたとい っても、記事を読んでいたのではなく大半は BASIC のプログラムコードを読んで いたのだが。)で、この雑誌に Microsoft Flight Simulator の記事が載ってい たのである。たぶん時期的にいって ver.2 のあたりだろうとおもう。

その記事自体は2ページくらいしかなく、画面写真も数点しかなかったのだが、 かなり衝撃を受けたことを覚えている。画面は今の FS6 などにくらべたらメチャ クチャしょぼいのだが、当時としては素晴らしいものだった。何しろ、実物の風景の中を飛 べるのだから。記事中で一つだけ「、、、マウントレーニアまであるとは!」と いう一文だけ、今でも覚えている(何でここだけ覚えてるんだろう ^^) これ以外にこれと同じくらい衝撃をうけたのは、FS5 のスクリーンショットを初 めて見たときくらいだろう。

それで Flight Simulator をやりたくなってしかたがなくなったのだが、中学生 だった私がそのためのマシンを購入できるわけもない。当時は PC6001mkII を買っ てもらうのが精一杯だった。当然、PC6001mkII でできる Flight Simulator など あるはずもなく、悔しい思いをしたものだ。

この頃、国産のソフトで「ザ・コックピット」というソフトがあった。これは確 かの雑誌(I/Oだったかなぁ)にソース付で掲載されたとおもう。対応機種はベー シッ クマスターなんとかだったような気がするが良く覚えていない。

「ザ・コックピット」は旅客機の着陸をシミュレートするものだった。夜間の着 陸なので、風景は滑走路灯、進入灯などの空港施設のライトのほか、街明かりだ け。全部あわせてもドットがせいぜい100個くらいしかなかったが、雰囲気が すごく良くでていた。夜間着陸だけなら、FS6 より雰囲気が出ているかもしれな い。

これはかなり多くのマシンに移植された。一番新しいやつだと、X68000 に移植さ れたやつで、音声もでる。幸い、知り合いが MZ-2200を持っていて、 この機種にも移植されていたのでやらせてもらったことがある。だが、難しいこと、難しいこと。風がちょっとでもあると、滑走路近くに到達するまえにコースアウトになってゲームオーバーになってしまう。

機体の挙動がすごく不安定なのだ。ちょっとでもバンクさせようものな ら、その揺れが増幅する傾向に向かってひどいことになる。あんな航空機があっ たら、乗客はエチケット袋が何枚あっても足りないだろうな、というくらいであ る。 また、着陸するときのフレア(引き起こし)もメチャクチャ難しい。昇降計とピッ チ角度を見ながらフレアするのだが、何回やってもクラッシュしてしまうのだ。 うーむ。FS6 の方が100倍簡単だぞ (^^)

その後、高校に入ったときに PC8801mkIIFR を買った。8801 でもフライトシミュレータ と呼べるようなソフトはあまりないのだが、6001 よりはましで、いろいろフライ トシミュレータ「もどき」のゲームを購入した。が、満足できるほどまともなも のは数えるほどしかなかった。

まずは、 MicroProse の F15 Strike Eagle である。II とか III も出たが、こいつは初代である。大戦略で有名なシステムソフトが 88 に移植したものだ。これが私が自分 のマシンでやった一番最初のまともなフライトシミュレータだった。何しろ、離 陸と着陸が自分でできるんだから(^^)
グラフィックは相当しょぼく、単純なワイヤーフレームだった。滑走路がただの 長方形だったし、風景なんてほとんどないに等しい(川が一本だけとか)のだが、 それでも離陸・着陸ができるだけで嬉しかった。

それと、SubLogic の「フライトシミュレータ魚雷攻撃」。これは太平洋戦争中の 日本軍の航空機にのって、マーシャル諸島近辺で敵機との交戦、爆撃、艦船への 雷撃を行うものだった。これは SubLogic が作っただけあって、フライトモデル は良くできていた(と、思う)のだが、いかんせん、色気に欠けすぎていた。何 しろ、敵機が「・」と「工」の2通りの形しかなかったんだから。機銃を撃って も何も見えないし、魚雷を発射してもなにも見えない。ただ、当たったとかいう 表示が画面下に文字で表示されて、敵機や艦船が消えるだけ。さらに、メチャク チャ難しいため、途中で放り投げてしまった。惜しい。あと、マニュアルが変な日本語で書いてあって、笑える。

もう1つは、MicroProse の GUNSHIP である(GUNSHIP 2000 のほうじゃなく、初代のほう)。これは航空機ではなく攻撃ヘリコプターアパッチ(AH-64 だっけ?)のシミュレータである。これは結構よくできていた。何しろ、カラーのポリゴンだったのだ。これだけでも感激。しかも夜間のミッションもあったし、兵装もヘルファイヤ、ロケット、チェーンガン、スティンガーが揃っていて、ミッションの内容もけっこう豊富だった。

当時、フライトシミュレータといえば MicroProse と SubLogic の2社だけだっ たように思う。確か両者の代表者によるインタビューが Login 誌に掲載されたことがあって、火花を散らせていた。今はもうどっちの会社も残っていない。MicroProse は買収されちゃったし、SubLogic は、、、どうなったんだっけ、忘れてしまった。

続く、、、


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