4月 23日

サンパウロ - リオデジャネイロ(マルチ)

南太平洋を巡って東廻りで南米に到着したかずちゃん、そしてロシアからアフリカ経由で西廻りで到着したT.Kさん。さらに二人のツアーを応援すべく、日本から駆けつけてくださったyoshi35000ftさん。この3人の機体がついに日本の裏側、南米はサンパウロで集まることが出来ました!

ちょっと予定の時刻より到着の遅れたかずちゃんをT.K機長のYS-11とyoshi35000ftさんのATR42はサンパウロ空港でお待ち兼ねでした。上空でバンクすると、それを合図にまずyoshiさんのATRが、続いてT.K機長のYSが、相次いで離陸してこられました。3人の出会いを祝福するかのように、今日のサンパウロは雲一つない好天に恵まれました。

上空でお二人が上がってくるのを待つ

高度は5000フィートでサントス経由で、海岸沿いにリオへ向かう予定です。2機が無事離陸してこられたのを確認し、東へ機首を向けサントスに向かいます。

サンパウロ上空

この旅初めてのマルチ、コパイのピアちゃんも楽しそう。リアシートのふじ子ちゃんも窓から僚機に向かって一生懸命手を振っています。この辺りは結構小さな山々まで作り込まれていて、のんびりとした有視界でのマルチにはうってつけです。

サントスからリオへ向かう

右後方にyoshiさんのATRが、左上空にはT.K機長のYSが飛んでいます。やはりキングエアはエンジンパワーが少ないせいでしょうか、YSがぐんぐん先に行ってしまいます。スロットルを上げT.K機長の機に接近を試みます。

悠然と飛ぶYSに後方より接近

こうして下から見上げるとやはりYSは堂々とした機体です。なかなか隊列を組んでの編隊飛行は難しいものですね。そうこうしているうちに左手にyoshiさんのATRが迫って来ました。

きれいなATR42とのフライト

わいわい言いながらのフライトにあっという間に時間が流れます。気がつくともうそこはリオのイパネマ海岸の上空。事前に『地球の歩き方』で調べた知識をお二方に披露しながらゆっくりとリオの市街を旋回し、いよいよ国内線用のSantos Dumont空港へ南側からアプローチ。。。

と、あれ?スロットルを絞っているのになかなか速度が落ちません。普段だとファイナルでは100ノットぐらいまで減速できるのに、なぜか140ノット近いスピードから減速しません。短い空港なので、直ちにGo Aroundをかけ再度上昇、左旋回で再度アプローチ。無線によればyoshiさんは無事に着陸。T.K機長は国内線の空港の場所が分からず、yoshiさんからの無線で誘導されています。コパカバーナ海岸の上空を抜け、再度アプローチ、すぐ後方にはT.K機長が続いているはずです。。。が、あれ?やっぱり減速しない。もう空港は目前なのに。

その時コパイのピアスちゃんが叫びました。『あ、右エンジンのスロットルがコントロール不能です!』見ると確かに右エンジンのスロットルレバーが真ん中辺りで固定され、動きません!回転が下がらないわけです。既に着陸しているyoshiさんに緊急事態を告げ、再度GAをかけます。

この旅初の機体トラブルです。キーボードからの操作も受け付けないようです。やむを得ず、右エンジンへのフューエルポンプを切り、片肺で着陸を試みることにしました。片肺飛行は昔慣熟飛行で飛んだことがあるだけです。手のひらにはじっとりと汗がにじみます。機首が右を向きたがるのをラダーで押さえ込みながら、慎重にアプローチ。これでだめなら滑走路の長い国際線空港へ向かうことにしましょう。

皆が心配そうに見つめている中を、3回目のアプローチに入ります。ILSもないし、なかなか滑走路正中に向けるのが大変です。いつもの3倍ぐらい緊張しながら、速度計を見ると95ノット。スロットルを絞りフレアをかけると、トンと愛機は着地しました。急ブレーキで滑走路上で停止!機内からピアちゃんやふじ子ちゃんの拍手がわきます。あぁ、良かった♪

3機で集合写真

ターミナルの前に3機並んで停止させます。タラップを降りて、T.K機長や久美子ちゃん、そしてyoshi35000ftさんと初めてのご対面。T.K機長はさすがにロシアからアフリカを経てのフライトをこなしてきた老練な紳士、そして久美子ちゃんはとてもチャーミングなお嬢さんです。ピアスちゃんとふじ子ちゃんは日本から応援に駆けつけてくれた若きパイロットのyoshi35000ftさんに夢中です。その端正な顔つきはちょっとジャニーズ系?(^^)

その夜はリオの市内で、久しぶりの日本料理を食べながら、遠い故国の話やこれまでのフライトの話に大いに盛り上がり時を忘れました。あんまり楽しくて後ろ髪を引かれる思いでいたら、久美子ちゃんが『機長、私たちもこれから北上するんですよね。かずちゃんたちがアフリカへ飛び立つまで、お見送りでご一緒しませんか。』と嬉しい提案をしてくれました。T.K機長も異論がないようです。こうしてわいわいとリオの夜は更けていくのでした。

メニューに戻る