2月 26日

タヒチ - イースター島

タヒチでのんびりと休日を謳歌したかずちゃんたちは、いよいよ喜望峰へ向けて再び歩を進めることにしました。ここから南米大陸までの唯一の中継地点、それは大海の孤島イースター島です。とは言ってもタヒチからの距離はなんと4000km! とてもKing Air350では届きません。そこでよくよくFS2Kのマップを眺めてみると、イースター島までの途中にTotegegie島という空港のある島がありました。ここまでだとランギロアからは872.7マイル。またそこからイースター島までは1401.3マイル。これならギリギリで届きそうです。

今日は一日がかりの長〜い旅になりそうですし、出来れば初めての土地に夜間飛行は避けたいので、朝早くの出発をすることにしました。ランギロアの空港、朝0630。まだ辺りは真っ黒なとばりに包まれています。そんな中満タンの燃料を積み込んだ愛機は、グオーンと言ういつもの気持ち良い咆哮を響かせました。

まだ真っ暗なランギロアの出発

離陸なら夜間帯でも大きなトラブルにはならないでしょう。0637、愛機は真っ暗なタヒチの夜の闇に飛び立ちました。計器を頼りに上昇を続けます。今日は遠距離へのフライトなので、高度はFL310まで上昇する予定です。

南太平洋上での夜明け

離陸して30分あまり、左前方東の空が白んできました。まもなく澄み切った空に一筋の朝日が差し込んできました。この旅初めての機上で迎える夜明けです!

ほとんど雲もなく晴れ渡った青空の中を愛機は東に向かって順調にフライトしていきます。この辺りはタヒチの名もしれぬ小さな島々が点々と下界に広がっています。昔の人はこうした島伝いにカヌーなどであちこちへ渡っていったのでしょう。何とも言えない感動が胸をよぎります。

ポリネシアの島々上空を行く

フライトを続けること4時間足らずで、計器がTotegegieの空港への接近を知らせました。80マイルほどで降下を開始します。まもなく前方に小さな島が見えてきました。あれがTotegegie島でしょう。

Totegegieへのアプローチ

もちろんATISやILSなどはありませんが、滑走路は6562フィートもありますから、安心してビジュアルでアプローチです。

何もないTotegegieへの着陸

みるみる滑走路が迫って来ました。この島には滑走路以外何もないようです。風も強くなく、スムーズに愛機はTotegegieに着陸しました。到着時刻は現地時間の1123でした。飛行時間は3時間53分、使用燃料は388ガロンでした。

タワーのすぐ傍に給油施設があります。クルー3名は機体を降りずに現地の職員の手で再び燃料を満タンに積み込んでもらいました。給油完了の連絡を受けると直ちにエンジンを再始動します。1145、再び愛機は飛び立ちました。わずか22分間の滞在でした。

Totegegiaを再び離陸

さあ、ここからイースター島までは本当に島もありません。距離は1401.3マイル、万が一燃料が足りなくなれば、間違いなく文字通り海の藻屑です。高度を33000フィートまで上昇させ、巡航時の燃料消費を最小限にしてフライトを続けます。巡航速度は260ノット弱のクルージングです。

東へ向けてのクルージングですので、おのずから一日は短くなる計算で、今日のような長距離飛行にはきついものがあります。陽が落ちないことと燃料が持つことの二つを念じながら、ひたすらイースター島に向かって、海原以外何も見えない南太平洋上空を飛び続けます。

退屈な、そしてちょっと不安と緊張のフライトを続けること5時間30分、ついにGPSがイースター島の空港Mataveri国際空港への接近を知らせました。辺りは少しずつ夕闇に包まれ、燃料もイエローゾーンに近づいていますが、何とか到着できそうです。

遥か遠くにイースター島の島影が。

高度を次第に下げていきます。VORを受信、Mataveri空港にはちゃんとILSも設備されており、暗くなってもおそらく大丈夫でしょうが、出来れば陽のあるうちに着陸したいものです。

夕闇迫る中のアプローチ

ランディングライトを点灯してのアプローチ。時刻は1830を過ぎ、陽は西に大きく傾いています。

ファイナルアプローチ

正面にMataveri空港が見えてきました。右側に見える小高い丘が死火山ラノ・カオでその頂上はオロンゴと呼ばれるイースター島の聖域です。

Mataveri空港にスポットイン

陽もまさに沈もうという1844、愛機はILSにのって無事Mataveri空港に到着しました。飛行時間は5時間59分、使用燃料は478ガロンでした。

本当の南海の孤島、そんな事実を10時間近いフライトで、つくづく実感できる島です。いったいこの島にはどうやって人類はたどりついたんだろう? そんな古代の神秘を感じさせる島、イースター島。日も沈み、頭上に輝く南十字星を眺めながら、ピアちゃんやふじ子ちゃんと、古代の神秘を語らう内に夜は更けていきました。

イースター島のモアイ像

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なお、イースター島のモアイ像の写真はイースター島への定期便を運行している唯一の航空会社ランチリ航空のホームページから転載させていただいたものです。素晴らしい作品を有難うございました。

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