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今朝は伊豆大島に飛んでいく予定でしたが、予報よりもはるかに大島は天気がわるく、視程は10キロ弱で雲が空の7/8も覆っており、高度も700フィート(約200メートル)という低高度です。大島空港には最近にローカライーザーという進入設備が配備されましたが、これでも最低降下高度が640フィート。航空会社の運航ですら欠航になろうかという状態です。
そこで、1時間の天候待ちをしましたが、大島の天気に変化が見られないために目的地を急遽変更。松山の道後温泉に行くことで決定しました。
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八尾も朝は雲が多く、少しずつ青空が増えてきました。
さて、飛行機の扉をしめてエンジンスタートを。 |
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滑走路はRwy27。
ゆっくりと滑走路に向かって誘導路を走行です。南の空は低い高度に雲が残っているものの、回復傾向ですね。
これなら伊豆大島も回復しているのかな・・・とちょっと未練が大島に残っているのかな。 |
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Rwy27から離陸しましょう。
今日は計器飛行方式ではなく、有視界飛行方式で離陸します。航路が決められておらず、天気や気流を見ながら好ましい方向に任意に飛行ができるからです。明石大橋を越えたあたりから計器飛行方式の承認を巡航中にもらうことにしましょう。 |
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滑走路の中間点あたりで機体が地上から離れていきます。 |
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遠くの山まで見えていますね。
気象管の情報によれば視程は45キロ以上とか。
60キロは見えているんでしょうね。 |
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滑走路を離陸してそのまま直進します。見慣れた八尾南の駅と地下鉄の電車の車庫が見えています。
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有視界飛行方式では、直進しながら大阪湾に出れますが、伊丹空港と関西空港の出発・到着経路が共存しているために、許可がでるまでは高度を低く維持する必要があります。
とりあえずは1,300フィート(約400メートル)を維持して西に向かいましょう。
それにしても大阪梅田のビル郡が良くみえていますね。箕面の山までクッキリしています。 |
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大阪湾まで出てきました。
南港のWTCが見えていますね。
この時に反対方向に向かう小型機と交差しました。 |
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大和川河口にある施設です。
いつもは煙突から煙がモクモクと出ているですけどね。
これってゴミ処理場なんでしょうか・・・ |
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西宮の海岸線です。
伊丹空港が・・・ちょっと高度が低すぎて判別できません。
関西の管制管には巡航高度の8,000フィート(約2,700メートル)に上昇するリクエストを出していますが、この時点ではまだ承認されていません。とりあえずの3,000フィートで水平飛行中。 |
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神戸空港の予定地上空です。
かなり埋め立てが完了してますね。ほぼ空港の形がイメージできますから。ポートアイランドへ横断する橋の足になる部分や、西からの進入灯が判別できます(写真左端)。 |
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ようやく巡航高度の8,000フィートへの上昇が許可されました。明石大橋のちょっと手前です。
このあたりは大阪市内よりも雲が多いようです。写真は巡航高度へ上昇中で、ちょうど5,000フィートを通過している時です。雲も多いとは言え、5,000フィートで雲の上に出れる模様。 |
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岡山を通過。さらに西に向かいますが、ちょっと視程は悪いかな。雲はまばらですけどね。 |
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岩国の管制管が降下指示と松山空港へのレーダー誘導を開始しました。このあたりまで来ると雲も少なく、非常に快適なフライト日和ですね。 |
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計器進入でRwy14に進入です。滑走路末端から8マイル手前でランディング・ギヤを下ろしたのですが、下りていることを指示する計器が正常を示していません。
本来は緑のランプが3個点灯されるはずが、1個が点灯されていません。ランプの故障か、それとも本当にギヤが下りていないのか・・・ギヤが下りていなければ緊急事態です。胴体着陸をする必要があるからです。こういう時こそ冷静に。一度下ろしたギヤを再度上げ、もう一度下ろしてみましょう・・・やはり緑のランプは2個だけ点灯。
滑走路への進入を400フィート(約130メートル)で水平にし、管制塔に目視で見てもらいましょう。
「Matsuyama Tower, landing gear not indicating three green. Requestvisual check with low pass over runway 14.」 |
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着陸せずに滑走路上を低高度で水平飛行。管制塔の人に双眼鏡で確認してもらうお願いをしました。
「え〜、こちら松山タワーです。目視確認ではギヤは下りているように見うけられます〜どうぞ。」
滑走路上を水平飛行してから右旋回。重信川を横断します。高度を上げて、Rwy14のライトダウンウィンドに入り、対策を考えましょう。 |
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右後ろを振り返ると着陸するはずだった滑走路が過ぎ去っていきます。
ランプが2個しか点灯していなければ、着陸をせずに八尾に帰航。そこで手動でギヤを下ろす手順をしてから着陸(胴体着陸かも?)チャレンジというシナリオが想定されます。
(手動の手順を行っても、ランプが3個点灯しなければ本当にギヤが
下りたかの確認ができませんからね。) |
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滑走路と平行に北西の進路を飛行します。
っとその時。何が切っ掛けかは分かりませんが残りの1個の緑のランプが点灯!ランプの接触の問題だけだったのかもしれません。確かに、管制塔の目視チェックではギヤは下りているようでしたからね。
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これで無事に着陸ができそうです。
ゆっくりとライトベースへ右旋回。
「Matsuyama Tower, juliet-alfa 4044 now has 3 green for landing gear.Request landing, Runway 14.」
「Roger, cleared to land runway 14. Wind 260 at 6.」 |
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緑のランプが3個とも点灯したとは言え、ちょっとは気になりますよね。
ゆっくりと滑走路に下りていきましょう。 |
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まさか着地の時にギヤがガクッ・・・なんてなったらイヤですからね。 |
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ほっ!っとする着陸でした。滑走中に地上をガタガタと揺れながら走りましたが、普通の揺れも気になってしまって。
それでも大した問題にならなくて良かったです。 |
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頻繁に発生する事ではありませんが、訓練や書物で勉強していた症状です。管制塔と交信する声のトーンなどで機内の雰囲気や緊張の度合いが感じられるようですが、冷静に慌てずに対処できたと自負しています。
着陸を途中で断念して空中で時間をかけて対処すれば大丈夫。慌てたところで得する事はありませんからね。
松山の管制塔の皆様、ちょっとお騒がせいたしました。
たいへんお世話になりました。 |