冬型の気圧配置で強い西風が吹く。
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上は青空、雲もまばら。
なんとすばらしいフライト日和かと思う天気だ。
が、冬の季節、見た目だけに誤魔化されてはいけない。見よ、この吹流しを。無風時にはダラリと垂れ下がっているオレンジと白の「鯉のぼり」も、今日は時折真横になるくらいまで立っている。風が強く吹いているからだ。
強い風が吹く日も安全に運行ができるわけだが、たとえ同じ風速であっても季節によって環境は異なる。冬型の気圧配置の日、六甲山を下って吹いてくる北西の風は大阪上空の飛行機にイタズラをする。時にはカタカタ、時にはガタガタ、たまにはドッスン、と機体を揺さぶる。
こういう日は揺らされながら遠出をすると疲れるが、離着陸の練習「タッチ・アンド・ゴー」にはもってこいだ。アップ・ウィンド、ダウンウィンド、そしてファイナル・アプローチで極端に風向、風速が変わる。速度も気になれば飛ぶコースも注意を要する。着陸を中断してゴー・アラウンドも真剣に考える。決して「チョロイ」練習にはならない。そのぶん、練習のやりがいも増す。
練習を終えて上を見上げる。伊丹空港へ最終着陸進入をする旅客機が。彼らも風上に大きく翼を傾け、微妙に翼を揺らしながら冬の風に立ち向かって降りていった。 |
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