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2006年 8月24日

但馬空港に展示されている元現役のYS-11型機。

10年前なら決して珍しい飛行機でもなかったし、決して「珍しい」と呼ばれることすら想像もしなかった日本の旅客機、YS-11。戦後に日本が設計、製造した唯一の民間旅客機だ。ダートというメーカーの独特なプロペラエンジン音を響かせて日本の空を飛び回っていた。

それが老朽化のせいか、メンテナンス費用や燃費のせいか、既に現時点で1機だけしか路線を飛んでいないらしく、最後の1機も今年で日本のそらからいなくなる。どうりで10年前は頻繁に聞こえていたダートエンジンの音がすっかり日本の空港で聞こえなくなっていた。むしろ、聞こえないことが通常になった。

地方の様々な空港で戦後日本が誇る「YS」が展示されているものの、そこには「音」は無い。飛行機野郎達はエンジン音を聞いただけで「あ、YSが飛んで来た」とわかるほど。実はあのエンジン音は飛行機野郎の心にも響いていたことを改めて思い出した。