ランダム天候設定ツール

"Weather98"

Copyright 1997 James E. Donnelly


はじめに  機  能  一般事項  インストール  使用方法  天候パラメータの変更

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はじめに

  このプログラムは正当に扱われる限り、自由に配布、使用してかまいません。また同様にソースの変更も自由です。作者の許可なくこのプログラム、又はこのプログラムを(たとえそれが改変されたものであっても)含むいかなるプログラムを販売してはなりません。作者はこのプログラムによる、いかなるエラー、またはそのエラーによって引き起こされる障害について責任を負いません。このプログラムは、Martin H.Smith氏作成のaplc32.exeによってコンパイルされ、マイクロソフト社発行のコンバータプログラムaafconv98.exeによって処理されたものです。 Weather98はMicrosoft Flight Simulator 98用に設計されたものであり、以前のバージョンでのテストはされていません。Microsoft Flight Simulator 98はMicrosoft Corporationの製品です。


機  能

 「Weather98」は天候を時間や距離によってランダムに生成・変化させるアドベンチャーファイルです。アドベンチャーを実行するたびにランダムな天候が生成され、また時間が経過するに従って、あるいはある距離を飛行するに従って、雲、風速、風向、視程が変化します。

 風速と風向は飛行高度によっても変化します。温度も飛行高度によって変わります。ただし気圧は「Weather98」によって変化させることはできません。

 「Weather98」実行中は、これらの数値をある範囲で自由に変化させることができます。

 FSでは1度に2つのアドベンチャーを実行することはできませんので、「Weather98」の実行中に他のアドベンチャーを開始すれば、「Weather98」は終了してしまいます。従って、現時点では残念なことに「Weather98」を「GPWS98」などの他のアドベンチャーと併用する事ができません。

 ただしこれらのアドベンチャーはいずれもソースコードを公開しており、かつその改変を認められていますので、腕におぼえのある方でしたら2つのアドベンチャーを合体させることができるでしょう。


一般事項


CLOUDS

 「まばらな雲」から「本曇り」までの8段階の密度で、1つまたは2つのレイヤ(層)を設定することができます。これらの雲層(レイヤ)には偏流(deviation)と乱気流(turbulence)のファクターが含まれており、着氷現象も再現できます。
 「Weather98」ではこれらのファクターをすべて変更することができます。
 FSは3つ目のレイヤとして積乱雲を設定することができますが、「Weather98」ではこのレイヤを操作することはできません。
 「Weather98」においては上層の雲層には必ず氷が含まれています。(従って着氷の可能性があります。)
 「Weather98」においては雲の状態が変化するときに、わずかに雲が全く表示されない時間があります。

視 程
VISIBILITY

 「Weather98」では視程を1から40マイルまで設定することができます。40マイル未満(時として40マイルでも)の視程では必ず雲が存在します。


WINDS

 FSでは風のレイヤを4つまで設定することができますが、「Weather98」ではその内の1つしか制御することはできません。飛行高度によってその機体がどのレイヤにいるかを判断して、風の状態を決めています。
 風には風向、風速、乱気流の要素があり、「安定(steady)」「突発的(Gusty)」の2種類のタイプに分類されます。

気 温TEMPERATURE

 「Weather98」はまず、緯度、季節、時刻から海抜ゼロメートルにおける基準となる気温を定め、その気温を飛行高度によって変化させます。

天候の傾向TREND

 「Weather98」のユニークな機能に「天候の傾向」があります。これは近い将来に天候がどうなるかという傾向です。この傾向には「良化(Improving)」「安定(Stable)」「悪化(Worsening)」の3つがあります。
 「良化傾向」というのは、雲は薄く穏やかに、乱気流・氷結はより少なく、視程は良化、風は穏やかに等々の現象をあらわします。
 「悪化傾向」というのはその逆で、計器飛行気象に近くなる事をあらわします。
 「安定傾向」というのは、天候がおおむね現在の状態を維持する事を示します。
 天候は「良化」から「悪化」へ、又はその逆に一気に変えることはできません。必ず一度「安定」状態を経由する必要があります。


インストール

 「weathr98.zip」を解凍すると「readme.txt」、「weather.txt」、「weather.adv」という3つのファイルがあるはずです。

 「weather.txt」はこのアドベンチャーのソースコードです。プログラマーの方は上記の制約事項を守る限り、このファイルを自由に使ってもらってかまいません。

 「weather.adv」はコンパイル済みですぐにでも使用できる状態のものです。インストール作業はこのファイルをFSの"Adv"フォルダにコピーするだけです。デフォルトの設定では [C:\Program Files\Microsoft Games\Flight Simulator\Adv] になります。


使用方法

起動方法:

 FS98を起動し、お好きな機体、場所、時間、季節を設定してください。(これらの設定は一度アドベンチャーを起動すると、それを終了するまで変更することができません)

 次にメニューを「ファイル」−「アドベンチャー」とたどって、「Weather98」を選択してください。これで、ランダムな天候が設定されたはずです。画面上で天候が変化するのがわかるはずです。

気象情報:

 気象情報のスクロールテキスト(画面上を流れる文字)を見たいときには、「"Shift"+"W"」を押します(キーボードの"Shift"と"W"を同時に押します)。

 この気象情報には、天候の傾向(良化(Improving)、安定(Stable)、悪化(Worsening))、雲底の高度を含む雲層の情報、風向、風速、風のタイプ(「安定(steady)」「突発的(Gusty)」)が含まれます。

 風が"Mild"であるというのは、無風状態であることを意味します。

 風速は、機体の現在位置における風速を示します。

終了方法:

 「Weather98」を終了するには"Esc"キーを押します。これはFS98のデフォルトのアドベンチャーの終了方法ですが、別のキーに割付がカスタマイズされている場合はそちらのキーになります。

 "Esc"キーは「フライトビデオの録画」の終了キーでもあります。もし「Weather98」とビデオの録画を同時に実行している場合は、"Esc"キーを押すことによって両方とも終了してしまいます。

 「Weather98」によって生成された天候は「フライトビデオ」には記録されないため、保存又は再生する事はできません。


天候パラメータの変更

 「Weather98」はいくつかのパラメータによって天候をコントロールしており、そのパラメータの内いくつかは、「Weather98」の実行中に変更することができます。

 変更は"1"から"9"のキーによって行います。(注意:テンキーではなくキーボード上部の数字キーです。)各パラメータの現在の設定を見るには、"Shift"+"1"〜"9"のキーを押下します。各パラメータの設定を変更するには、"Ctrl"+"1"〜"9"のキーを押下します。

 "1"〜"9"のキーには各パラメータが以下のように割り付けられています。

キー

パラメータ

パラメータの説明

<1>

天候の傾向
TREND

 任意の「天候の傾向」を選ぶことができます。変化は直ぐに反映されるわけではありませんが、いずれは選択した傾向に移行します。ただし、時間がたてば傾向は再びランダムに変化してしまいます。

<2>

時間的頻度
TIME CHANGE RATE

 これは「Weather98」上で、どれだけの頻度で天候が変化するかというパラメータです。初期の設定は2〜4分です。言い換えれば機体が飛行中でない状態で、2〜4分ごとに気象状況が変化するということです。変化の頻度は「1〜2分」から「15〜30分」まで、1分刻で設定することができます。気象が変化するべき時間になっても、必ずしも変化が起きるとは限りません。なぜなら「変化しない」というのもランダムな変化の選択肢の一つだからです。

<3>

距離的頻度
DISTANCE CHANGE RATE

 この距離的頻度とは、上で述べた時間的頻度と同じ事で、どれだけの距離を移動するごとに気象状況が変化するかということです。初期の設定は、4〜8nm(4〜8海里)です。これだけの距離を移動することによって、天候の変化が発生するということです。飛行中は時間と距離の内、先に所定の数値に達した方が引き金となって気象状況が変化します。変化の頻度は「2〜4nm」から「30〜60nm」まで、2nm刻みで設定することができます。

<4>

視 程
VISIBILITY

 視程は1〜40nm(1〜40海里)の範囲で変える事ができ、この変化は即座に反映されます。ただし雲が全くない状態では、視程は40nmに固定され変化しません。

<5>

雲底高度
MINIMUM CLOUD LEVEL

 この数値は平均海面から雲の底までの高さをあらわします。「Weather98」の起動時に雲底高度は、現在位置の地面から3000ft(3000フィート)に設定されます。雲底高度は海抜0〜10000ftまで1000ft単位で設定できます。この設定は直ちに反映され、すべての雲が上昇または下降します。雲底が現在位置の地面より下になった場合、その雲の層は消滅します。ただし画面上で変化が完了するまでには、多少時間がかかる場合があります。雲底高度を設定できるようにしたのは次のような理由からです。いくつかのシーナリ(特にラスベガスや南カリフォルニアのようなフォトリアリスティックなシーナリ)において、FSは地面からの高さではなく、平均海面からの高さで雲層を生成してしまいます。このため、2000〜3000フィートの海抜を持つモハーベ砂漠では、雲が地面近くを這ってしまうことがあるのです。このようなときには雲底高度を上げて対処してください。

<6>

風最低高度
MINIMUM WIND LEVEL

 その高度以下では無風状態で乱気流もない、という高度を風最低高度といいます。起動時の設定はおおよそ地面の高さになります。その高度は雲底と同じく海抜0〜10000ftまで1000ft単位で設定できます。風最低高度を設定できるようにしたのは、雲底高度の時と同じく地面の高さと平均海面の差の問題を解消するためです。最低高度を低くすれば地面近くで強風が吹くようになり、逆に高くすれば風は弱まります。風に影響されない、穏やかな離着陸をしたければ、風最低高度を空港の標高以上にしてやればよいわけです。

<7>

風 向
WIND DIRECTION

 風向は5度刻みで変更可能で、即座に反映されます。「Weather98」の実行中、風向は起動時にランダムに設定された方角付近で絶えず変動し続けます。この「風向」を変えることにより、「風が主としてどちらの方角から吹いてくるかを設定することができるわけです。

<8>

雲の厳しさ
CLOUD SEVERITY FACTOR

 このパラメータは雲の厚さと乱気流の程度をあらわすものです。「1」(おだやか)〜「5」(きびしい)までの5段階に分かれており、起動時の設定は「2」です。

<9>

風の激しさ
WIND SEVERITY FACTOR

 このパラメータは風速と乱気流の程度をあらわすものです。雲の時と同じように、「1」〜「5」までの5段階に分かれており、起動時の設定は「2」です。数値が大きいほど、風速は早く、乱気流は激しくなります。


− アドオンツール解説 #002 「Weather98」 −

1999年 3月 14日

作成 : kash−a