It's All in the (new scenery) Details
マイクロソフトのFS2000オフィシャルホームページに記載されていた
Brian Hunt氏寄稿の It's All in the (new scenery) Details を翻訳してみました。
FS2000の新シナリーの紹介の様な内容ですが、参考にして頂ければ幸いです。

新シナリーの詳細さの中に全てがある。
by Brian Hunt
(c) 1999 Microsoft Corporation.
何年にも亙る開発の後にソフトリリースの最終コーナーに入った時は、時間はとても貴重な
ものになります。製品の内、自分が担当している部分の最後の仕上げに追われる事になります。
私の場合、それはパイロットハンドブックとHelpシステムの内容という事になります。その為、
FS2000の全ての新機能を試さなくてはなりません。それ故、既にFS2000のルック&フィールには
驚かされているのですが、新しい発見が無い訳ではありません。この新しいシナリーの詳細も
その一つです。
FS2000があなたの近くのPCショップへの道へ向かう様になると、私達の関心は貴方が今読んで
いるページの更新をどの様に行うかに向けられます。近い将来、載せられる予定になっている
世界一周飛行の準備として、私はSopwith Camelでオーストリアを横断する飛行を行う事に決め
ました。実生活ではObersalzburg周辺で過ごした事は全くありませんので、Microsoft Encarta
Interactive World Atlasを開き、Salzburgから山々への舗装道路を探しました。南へ向かい
SloveniaのLjubljanaへ通じる道路が見つかりました。
"Sound of Music"のテーマ曲を口ずさみながら、モーツァルトの生れた地を飛び立ち、古式
ゆかしいIFR (I Follow Roads) 航法で地形、道路、河川とwet compassを頼りに山々の間の細道を
飛行しました。FSのキャッチフレーズである"As Real as it Gets."(本物そっくり)を実現する為
に採用された新しいデジタル地形マッピング技術とシナリーテクスチャーの効果を実感したの
は正にその時です。山々がそこにある通りに本当の高さで美しいテクスチャーで再現されてい
るだけでなく、道路や河川も目立たない山々の間を実際にそうであるようにPongau や Villach
といった村を通って続いていくのです。

Sopwith Camelはオーストリア・アルプスを通る道筋をたどり続けました。Camelから左側に見
える山は左のマップに X 印が付けられています。フライトシミュレータ上で道路が曲がって
いる様子がマップと同様である点を注目して下さい。
(上の画像をクリックすると大きな画像を見る事ができます。)
どの様にして実現されているのか?
フライトシミュレータのシナリーエンジンはどの様にしてこの様な正確さで全世界を詳細に
再現しているのでしょうか。私は核心を得る為にフライトシミュレータ開発チームのメンバー
を問い詰めました。
「大変な仕事だったんだよ。」というのが私の聞いた答えでした。これら全てを可能にしたシナ
リーエンジンの開発は二年に亙る集中的な開発の成果だったのです。政府の各種部門から集め
られたデジタル情報をこのシナリーエンジンは取り込んで、正確な場所と高度に地表、河川、
道路、海岸線を再現するのです。
フライトシミュレータの以前のバージョンでは基本的には平坦な世界の上に置かれたシナリー
の "seeds"(種)に依存していました。山々は基本的には色々な形のポリゴンで作られていまし
た。一方、FS2000ではデジタル高度データに依存するグリッド(格子)システムを使用していま
す。デジタル高度のマッピングにより、グリッドはオブジェクトの現実の世界での高度を実現
しています。(網目模様のあつまりで表現された山や谷を表現したコンピュータグラフィックス
を想像して下さい。)
このデジタルデータの解像度は大凡 1Km四方で、前例のない詳細な地形を提供しています。
いくつかの場所−例えばワシントン州のMt. Rainierなどでは、この解像度は一層詳細なものに
なっています。道路は現実の世界と同じ様に地形の上を上下しています。山や谷の陰影にも新
しいテクニックが使われ、これが一層現実味を深めています。

時計回りに Mt. Rainierの冬、春、夏、秋。詳細度のレベルと季節のテクスチャー、光線の変化
に注目して下さい。 (上の画像をクリックすると大きな画像を見る事ができます。)
大凡 4m 四方が 1ピクセルの解像度で数十種類の異なる地面のテクスチャーが作成されました。
また、同じタイプの地表であっても繰り返しや継ぎ目が無いように何種類ものテクスチャーが
作られる等の努力が払われています。その結果、テクスチャーの推移が非常にスムーズなもの
になっています。言換えれば、貴方が広大な森林の上を飛行している時にも、同じ様な森を見
る事はありませんし、異なるタイプのテクスチャーの上を通過する場合もテクスチャーの変化
が自然な形で表現されます。
地表面のタイプの違いは始まりに過ぎません。それに加えて季節による変化があります。また
世界の全ての地域で昼夜の違いによるテクスチャーの変化があるのです。「全てを一つにする。」
が開発チームのモットーとなりました。「全世界の一つ一つの1平方Kmに高度、テクスチャータ
イプ、季節、昼夜の情報をマッピングしました。それから、飛行場や海岸線といった特定の地
面を追加していったのです。それは大変な作業でした。」
その結果は息を呑む様なものであり、フライトシミュレータを正しく現実に近いものにしてい
ます。
Version 5.0からフライトシミュレータの内外で仕事をし、全てを見てきたと感じていますが、
FS2000には本当に驚きました。そして現実世界でパイロット免許を得て20年の経験から見ても
FS2000で飛行する事は、驚く程現実に近い経験であると思います。

Last Update :01/20/2000