PJA訓練日記(第四教程−航法)

PJA内では航法訓練はソロフライトとも言っています。第三教程
では、教官が同乗していたのに対し、この訓練では訓練生自身が
フライトプランを作成し、ウェイポイントへのHDGを探さないと
いけません。

訓練の流れですが、まず、ランウェイヘディングで離陸後、2500
ft 以上でKUまで進みます。

KUに到着(OMが鳴ります。)ここから次のウェイポイントをト
レースしていきます。
そのウェイポイントに1nm以下に近づいたところで到着をコールし
て次のウェイポイントに進みます。
その後、大分RWY01 TUKUMI に3500ftで通過後、リクエストし、
シミュレーテッドILSアプローチ&フルストップにて大分空港
に着陸するというものです。

途中のウェイポイントですが、二つのVOR局からのラジアルの交点
として示されます。

例えば、以下の様な形式です。

       VOR RADIAL DIST ALT  HDG
POINTA KUE R68    D21  8000 68
POINTB TAE R230   D18  7000 97
POINTC TAE R210   D9   5000 68
POINTD TFE R184   D17  3500 42

このウェイポイントを指示される高度、ヘディングで通過していかな
ければならないという結構タフな内容です。


1998年5月04日
1998年4月30日
1998年4月29日
1998年4月28日
1998年4月27日
1998年4月24日


1998年5月04日

週末はただひたすら、ソロフライトADVをやってました。
5/1についに正式版がアップされたので、試験を受けてました。
結果は、満点合格。ヤッタという感じですね。ここんとこズーと掛かり切り
になってましたから、本試験で100点がとれたのはとっても嬉しかったです。
結果を早速NIFTYのFFS15番会議室にアップしたのですが、残念ながら30分の
差で合格第一号は逃してしまいました。(でも満点合格は第一号だったので
満足です。)

ソロフライトADV正式版では、まず最初に訓練飛行を行う必要があります。
この訓練飛行を完了すると得点とスコークコードが出力されます。
本試験では、このスコークコードをセットしないと試験開始ができないという
少し厳しい条件になってます。
ただコースは以前と全く同じなので、今まで練習した成果はそのまま生かす事
ができました。


1998年4月30日

昨夜のソロフライトADVは散々でした。家族と話しながらやってたので、集中
を欠き、結果はおそらく93点。おそらくと書いたのは、着陸後、ラダーコント
ロールが効かず、スポットに入れなかったからです。AP使ったことと4倍速使
った点位しかいつもの違わないんですけどね.......
ちなみにフライトプランCをやりました。
フライトプランの難易度からいうと一番難しいのがA、次ぎがB、一番やさし
いのがCですね。


1998年4月29日

昨夜はPJAソロフライトADVのフライトプランBをやってみました。
ポイントA〜B間で谷を通ることになりますが、これもポイントA通過後
すぐに高度を下げはじめるとうまく通れません。谷を超えるまでは7000ft
維持して、それから5500ftへの降下を始めるべきだろうと思います。
このポイントA〜B間は結構距離がありますから谷を超えてからでも降下
率500fpmでも十分間に合います。

少し気になったのは、ポイントB付近で緊急事態が発生してしまった点です。
ミクスチャーも適切だったのにどうしてという感じをうけました。
奇跡が起こるまでの間、なるだけ高度維持(ポイントBまであまり距離が
なかった為)しようとしたら、最低スピード違反で減点食らいました。
これは反則ダーと思いましたね。

ポイントCでは針路変更の度合いが大きく、またポイントDまでの距離が
比較的近いので、膨らんだ旋回をすると針路修正が大きくなりやすいよう
です。勘ピュータを駆使して針路調整する必要がありますね。

なお、得点は99点でした。(それだけに緊急事態の発生が恨めしい。)


1998年4月28日

昨夜はPJAのソロフライトADVのVer0.94がリリースされたので、それを
やってました。Ver0.93では得点の表示がでなかったんですが、今回は
ちゃんと出るようになりました。フライトプランAを飛びましたが、得点
は91点でした。色々試してたことがあったので、これ位の点数でしょう。
得点だけを目標にすればもう少し良くできると思います。


1998年4月27日

さて4月24日に書いたPJAのソロフライトADVについての続きです。
今日は注意点について書きます。なお、この注意点はVer0.93についての
ものなので、正式版とは異なるかも知れません。

1.減点されるポイント
     −PJAの基礎訓練センターかたタクシーウェイへ出るとき一時停止をし
       なかった。
     −滑走路に入る前に一時停止をしなかった。
     −タクシーウェイでのスピードの出しすぎ。おそらく20ノット以上。
     −滑走路に入ってHDG251±1度になっていなかった。
     −着陸脚の収容が遅れた時。(離陸後速やかにギアアップ。)
     −アウターマーカーで高度2500ftに到達していない。
     −熊本空港の上空通過時に3000ft以下の時。
     −上昇率、降下率が±1000fpmを超えた時。
     −バンク角が20度を超えた時。
     −速度が140ノット以上となった時、又、離着陸時を除き80ノット以下
        となった時。
     −チェックポイントへのHDGが許容範囲(30度)を超えた時。
     −チェックポイントでの指定HDGからのずれが2度以上の時。
     −チェックポイントでの指定高度から±100ft以上ずれた時。
     −チェックポイントから1nm以上離れていた場合。
     −大分ATISを聞いた後、PJAセンターへのCOM周波数変更をすぐに
       しなかった時。
     −ILSアプローチ中にグランドスロープまたは、ローカライザーが中央の
       丸印から離れた時。
     −ギアダウンは大分空港から6nmを目安にすれば良い。(減点されるか
        どうかは不明。)
     −着陸地点は滑走路の3本線の間からその先の1本の太線の間に置く
       こと。

2.注意事項
     −フライトプランは事前に確実に作っておくこと。又、フライト中は
       それを参照しながら飛ぶことになるので手元に置いてすぐ見れる様
       にしておくこと。
     −熊本空港のOMからの戻りは左旋回でHDG60〜62度とする。
     −熊本空港上空通過後VORから0.6nm〜1nmでOBIの針が急速に移動を始
       める為、特にR90の時には0.5nmあたりから旋回を開始すると良い。
     −チェックポイントはVORからの距離で示されるがラディアルの角度と
       HDGとは必ずしも一致していない。例えばTAEのD19はTAEのD18の1NM前
       ではない。
      「あと2マイル」という表示がでた処から速度と時間で判断すると良い。
       例えば120ノットでは表示後30秒で旋回を開始する。
     −速度の出しすぎ、減速のし過ぎと判断した時はスロットルを大きく
       操作する。例えば一時的にアイドルにしたり、フルにしたり調整し、
       取り敢えず減点されるのを防ぎ、その上で適切な速度に変更する。
       (実機ではこういうことはしないと思いますが。)

3.参考資料
     −フライトプラン作成用白地図(wchart.lzh)
       ソロフライトでは各フライト毎にフライトプランを作成する
       必要がありますが、区分航空図やチャートがないとなかなか
       作成できません。

       NAV18でチャートを作成することは出来ますが、緯度、経度を
       同じ割合(緯度の1度も経度の1度も同じ長さ)で書いている為、
       これで分度器をあてて角度を測ってもHDGにはなりません。

       そこで、この白地図ではNAV18で作った地図の縦横の比率を
       北緯33度付近の比率に合わせて縮小し、分度器を使って角度
       を測れるようにしてあります。

       地図上には以下のVORを表示していますが、位置に多少の誤差
       がある点は気をつけて下さい。
           KUMAMOTO VOR KUE 112.8
           OITA     VOR TAE 112.1
           MUSASHI  VOR TFE 117.7

       なお、それ以外は緯度、経度の線以外何もはいってません。
       だから白地図です。


1998年4月24日

前にも書きましたが先週末からPJAのソロフライトADV( Ver0.93)を毎晩や
ってました。一回やるのに、約1時間半はかかる上、結構骨のある課題で
ある為、完全にハマッテおりました。

今回の課題の目的は航法を如何にクリアするかという点です。
この課題を完了すると晴れてセスナ182RGと熊本の基礎訓練センターに別
れを告げ、下地島の乗員訓練センターでのジェットの訓練に入ることがで
きます。(使用機材はエアロスパシアルFALCON10)

ADVでは熊本空港にあるPJA基礎訓練センターのハンガー前からタキシン
グを始め、大分空港の指定スポットに停止するまでを行います。
途中、4個所のチェックポイントを指定の高度、HDGで通過しないと減点
になりますし、上昇率、下降率、バンクの大きさ、ギア(着陸脚)の格納、
展開のタイミング、チェックポイント間の航路、着陸地点、タキシングの
速度なども減点対象になるという大変凝った内容です。
(作者のharuさんに深謝)

肝心の航法ですが、各チェックポイントは指定VORからのラディアルと距
離で示されているだけなので、事前にフライトプランを検討し、チェック
ポイント間のHDGを出してないとチェックポイントを探して大空で迷子に
なってしまいます。
また、準備されているフライトルートは訓練フライトの他、3つもありま
す。(いかにもはハマリそうな内容でしょ。)
なお、現在ADVはβ版ですが、近日中に本当の試験を受けられる正式版が
発表される予定です。

では、どうやって、各チェックポイント間のHDGを出すかですが、これに
は色々な方法があります。

1) 区分航空図他のチャートに手書きでチェックポイントを置き、これを結
   んでHDGを出す。
   おそらく、これが一番良い方法です。正確なチャートを使用すれば、角
   度の読み取り誤差も1度以内に収まると思います。
   (NAV17,18で作成されるチャートは使えません。経度は緯度によって、
   単位角度毎の距離が違ってきますが、この補正がされずに作図されてい
   る為です。)
2) 計算でだす方法です。チャートの入手が大変困難である人はこれでやる
   しかありません。σ(^ ^)もその一人です。月曜日から昨日まで、頭の中
   では、ズーットこれやってまして、ようやく解答をだすことができまし
   た。精度はバッチリ確認済みですから、安心してお使い下さい。と言っ
   ても、ここからはダウンロードできません。ご自分のPCでEXCELに入力
   して下さい。

   A. とっかかり
      各VORからのラディアルと距離は所与として出ています。また各VOR
      の緯度、経度はNAV18で見ることができます。
      距離は当然、緯度成分と経度成分の合成ですから、これを分解して
      緯度の変化量と経度の変化量に分け、基点となるVORの緯度、経度に
      足してやると、チェックポイントの位置になる筈です。
      これって直角三角形の斜辺の長さと角度が出てて、その下辺の長さと
      高さを求める計算です。何だ三角関数じゃないかと気づかれた方は
      大当たり。高さ(緯度成分)はSIN、下辺の長さ(経度)はCOSで計算でき
      ます。

      じゃ計算してでてきた長さを緯度、経度の角度に直すのは、どうすれ
      ば良いの質問するあなた、GOOD QUESTIONと言いましょう。
      角度に変換する必要はないんです。(と最初は思って間違えた。でも
      読んでね。大事だから。)
      距離はnm(海里)で与えられます。1海里=1852m。定義は地球の大円の
      1分の長さ。つまり地球の中心を通る円を考えて、その360分の1で1度
      の長さがでますが、さらにその60分の1が1分=1海里になります。
      例えば、北緯33度、東経131度の地点から北緯33度15分、東経131度の
      地点への距離は北へ15分離れてますから、これは15海里離れてるとい
      うことになります。
      変換不要だと思ったというのが御理解頂けましたでしょうか。
      VORからの距離はnm(海里)で与えられてますので、ここで出した水平成
      分と垂直成分の単位は既に分になっていると考えました。だから簡単ジ
      ャン、出した数字を度に変換してVORの緯度、経度に足してやれば良い。

      各チェックポイントの位置がでればその緯度、経度の違いから、これ
      また三角関数で角度がでます。これをHDGになおしてやればチェックポ
      イント間のHDGが得られたことになります。

   B. 計算式
      基点VORは大分VOR(IDはTAE。緯度33.21666度 経度131.706676度)とし
      ます。
      チェックポイントAはTAEのラディアル230度。距離18海里。
      チェックポイントBはTAEのラディアル210度。距離9海里。

      上記の考え方でやると、
      チェックポイントAの緯度の計算は以下の様になります。
         33.21666度Xsin(96度-230度)X18海里÷60=33.00086度
      この中で角度の計算で96-230としているのは角度数え方が地図上での
      数え方と三角関数の数え方が異なる為、その変換をやっています。
      (地図は上が0度で右周りで角度を数えますが、三角関数では水平を0度
      として左周りに角度を数えてたこと思い出しました?)
      また90でなく96を使っているのは、この辺りでは磁気偏差が6度あり
      磁気コンパスの0度は真北より6度西を向いている為、これを補正して
      います。
      これをEXCELの式で表すと
         =33.21666*SIN((96-230)*PI()/180)*18/60
      SINの()の中が少し難しいのはEXCELでは実際の角度の替わりにラジアン
      で与えないといけないからです。これはEXCELのSIN関数の説明に書いて
      あります。

      同様にチェックポイントAの経度は
         131.706676度Xcos(96度-230度)X18海里÷60=131.4983度
      と思っておりました。(本当は違っています。)

      チェックポイントBも同じ様にやると
         緯度33.07962818度	    経度131.6456655度   と出てきます。

      次にチェックポイント間のHDGを出します。
         緯度の差は33.07962818-33.00086=0.07876818
         経度の差は131.6456655-131.4983=0.1473655

      これを角度に変換する時はアークタンジエント関数を使います。
      アークタンジェント関数はタンジェントの値が分かっている場合にそれが
      何度の角度なのかを算出します。
         ATAN(0.07876818÷0.1473655)=28.1249度

      これをHDGに修正します。
         96度-28.1249度=67.8751度
      これが求めるチェックポイントAB間のHDGになります。
 
   C. 疑惑の発生
      だれかさんが、熊本VORと大分VORの距離は49nm熊本からのHDGは68度と
      書かれてましたので、検算のつもりで、上記の計算をやってみました。
      2つのVORの場所は分かっていますから、簡単に計算できる筈と考えたのが
      甘かったんですねこれが。全然違う数字がでます。56nm、HDGは72度になっ
      てしまいます。
      書いてる人が間違ってるのかと思い、NAV18でやってみると、49.1nm、67度
      になります。(°°)☆ガーン           そうです私の計算が違っているのです。
      ところが、もう一つ書かれていた大分VORから武蔵VORの16.5nm、10度という
      点については私の計算でも16.26nm、11度でかなり良くあってます。
      NAV18の数字も16.2nm、9度と大体同じ数字です。

      悩みましたよ。これは。

   D. ユーレカ
      ズーット悩んでました。水曜日から木曜日の午前中は。地上勤務(PJAでは本
      業のことをこう言います)が手につかない位です。
      で、ふと丸いものが目に入ったんですね。そこに頭で緯線と経線置いてみま
      した。それで分かったんですよ。経線が緯度によって短くなってるってね。
      あとは、比較的簡単でした。経線がどれだけ短くなっているかは、COS(緯度)
      になるんです。北緯33°付近ではCOS(33°)=0.838671になっています。
      これを考えに入れるとさっきの熊本VORと大分VORの距離とHDGは49.13nm、
      67.9度になり、大分VOR-武蔵VOR間は16.24nm,10.12度になります。
      大分〜武蔵間の数字があってたのはほぼ真北にあって経度の影響がなかった
      からなんですね。これで、計算を信用できるようになりました。

   E. 修正された計算式
      緯度の計算はあってますが、経度の計算は違ってきます。
      先ほどの計算式は以下の様に修正しないといけません。
         131.706676度Xcos(96度-230度)X18海里÷cos(33.00086度)÷60=131.4582度
                                                                先ほど出した緯度
      EXCELの計算式にすると
         =131.706676+(COS((96-230)*PI()/180)*18)/COS(33.00086/180*PI())/60

      また、チェックポイントBの経度は131.6338635度になります。
      
      同様にHDG計算のアークタンジェントの式も変わります
           ATAN(0.07876818÷(0.1756635/cos(33.00086度))=28.1521度
      EXCELの計算式では
         =ATAN(0.07876818/(0.1756635*COS(33.00086/180*PI())))*180/PI()
      HDGは96-28.1521=67.8479度になります。

      この計算では結果的にでてきたHDGにあまり大きな差はでていませんが、チェッ
      クポイントの2点が別々の基点VORを使っていた場合などは位置が大きく違ってく
      る為、角度の違いも大きくなります。

      なお、この計算は遠距離航法では使うことができません。遠距離航法では平面
      三角法ではなく球面三角法を使わないと正しいHDGや距離が得られません。
      どの様に計算するかは、σ(^ ^)も良く知りません。ハハ。

3) 裏技を使う方法
   良い子の訓練生にはお勧めしませんが結構安直に使える数字がでてくるというもの
   です。
   そうです、NAV18を使うのです。
   NAV18にはユーザー定義のFIXをインサートする機能があります。
   そこで、適当にFIXをインサートして、そこから基点であるVORへのフライトプラン
   を作ると、距離とHDGが表示されますから、FIXの場所を調整すると、各チェックポ
   イントの正確な位置が分かります。
   その後で、KUEから各FIXを通るフライトプランを作ってやると、航路図もきれいに
   出来上がるというものです。以外に簡単にできます。

   また、FSのスルーモードを使う方法もあります。
   これはチェックポイントの位置を調べるのにFSそのものを使いますので正確さにお
   いては一番かもしれません。チェックポイントまで、VORとDMEを使ってスルーモ
   ードで行ってSFIFT+Zで緯度、経度を表示させます。
   それをNAV18上にプロットすれば航路図を簡単に作ることができます。