Teterboro訓練日記
2001年6月09日(土) 2001年5月20日(日) 2001年5月19日(土) 2001年5月13日(日) 2001年5月12日(土) 2001年5月06日(日) 2001年4月29日(日) 2001年4月28日(土) 2001年4月15日(日) 2001年6月09日(土) 14:00 N52290 2.0h/12.5h 9th Ldg 8/18 USD251.0/USD1843.24 三週間振りの訓練になりました。訓練を連続してやっている時は、週末が長く 感じるのですが、訓練がないと何をしたという気もせずにあっという間に時間 が経ってしまいます。訓練四回分を返してくれと天気にいってもはじまりませ ん。VFRはどうしてもお天気まかせです。(^_^) この処、まるで日本の梅雨の様な天気が多かったのですが、今日はバッチリで す。訓練には最適の天候。8000ftにScatteredの雲、ビジビリティも十分です。 ASOSでは、10マイルと言ってますが、私のアパートからでも30マイルはありそ うです。風もそれ程強くありません。今日の訓練は着陸練習ですから、風は強 くないのを祈っていたのですが、その願いは聞き届けられたと感じました。 AFTSに到着して、予約を確認するとうまい具合に三時間取れていました。 前回使ったGreenwood Lake(4N1)も良いのですが、地形の関係でCross Windに なる事が多いので、出来れば滑走路が2本で、且つ、広いというOrange County (MGJ)を使えればと思っていました。ただ、ここへ行くには時間が結構時間が かかります。三時間予約できていないと使えないと聞いていました。 CFIに聞くとやはり、Orange County(MGJ)で着陸訓練との事です。やったとい う感じでしょうか。 Orange County(MGJ)は3-21、8-26の二本の滑走路があり、各々、5000ft,3700ft の長さがあります。幅は両方共100ftですから、短い方でもGreenwood Lake並 です。一回り小さいですが、Teterboroと良く似た構成の立派な飛行場です。 でも、これがなんとノンタワーです。(なお、パターン高度は1400ftです。) Teterboroでもそれ程、待たずにRunway1を離陸でき一路Orange Countyを目指 します。ただ、久々という事もあって、離陸時のスピードについて注意を受け ました。55ktで機首上げに入るのですが、今日は75kt位まで滑走していた為で した。 飛行中はとっても快適です。なにせ視界が良いので、2500ftで巡航する際も、 殆ど観光フライトムードでした。New Yorkの郊外には氷河性の湖が多数あり、 中には山の天辺に湖が広がっているものもあります。全山新緑に覆われている 中に湖が点在している光景はなかなかのものでした。 いつものランドマークであるシェラトンから概ね北に針路をとっていると、か なり遠くからOrange Countyの滑走路を視認できました。 東側の比較的近い場所に空軍基地がありますので、その空域を避ける為、西側 から接近しました。途中でCTAFを聞いていると格好の練習日和もあって、何機 も練習しているのが判りました。滑走路はRunway3を使っているようです。 トラフィックパターンに45度の角度で入る時にアナウンスをします。 「Orange County Traffic,Skyhawk,45 Runway3 Orange County.」 次にダウンウインドに入ってから、またアナウンスです。 「Orange County Traffic,Skyhawk,left Downwind Runway3 Orange County.」 アビーム タッチダウンポイントでプレランディング チェック。 Fuel Both Mixture Rich Cab heat On それから、パワーを1700rpmに落としてから、フラップ10度下げです。 なにせ三週間ぶりですから、少し忘れていて、先にフラップを降ろそうとして、 CFIに注意されました。 滑走路が後ろ45度になった処で、クロスウィンドに入ろうとしたら、ファイナ ルに入っている小型機が見えました。さっきスカイレーンとアナウンスしてい た機体です。それとすれ違うまで、ダウンウインドを延長します。そうしてい ると今度は、今からダウンウインドに入るとアナウンスをしている機体がいま す。全部で4機がパターンを飛んでいる事になります。(もう一機は離陸中でし た。)  CFIが「今日は、結構飛んでますから、周りに十分注意しながらトラフィックを 飛んで下さい。」と注意がありました。パターンでは皆、同じ高度を飛んでます から余計に注意する必要があるのです。 これだけ飛んでいるとアナウンスの重要性が判ります。近場にいるのに、パタ ーンを飛んでいる機体は皆小さく感じます。 クロスウィンドに入ってまたアナウンスです。 「Orange County Traffic,Skyhawk,left Crosswind Runway3 Orange County.」 滑走路の延長線上にアラインするところで、またアナウンスですが、これはCFI がやってくれました。65Kt維持。滑走路がぎりぎりまで近づき気持ち水平飛行。 スロットルをオフ。機首上げクライム姿勢維持。ストールホーン。そして着陸。 最初に自分で着陸したのですが、どうも、フレアのタイミングがうまく行かず、 かなりのハードランディングになりました。 着陸後にスロットルを押し込んで、フラップ フルアップ、キャブヒートをオ フ。55ktで離陸。Touch & Goです。1100ftまで75kt維持。左右を確認してから 左にバンクし、またトラフィックパターンに入ります。 二回目は、フレアのタイミングが遅く、前輪から着陸してバウンスしてしまい ました。オイオイ前輪壊れてないかな。リカバリーはCFIがさっさと操作して くれました。自分では処置できずガッカリです。 三回目は、遂にCFIがお手本をもう一度見せてくれました。アラインが左に寄っ てる点や、フレアのタイミングについても注意されます。ぎりぎりで降下角を 戻さないと高い位置でストールするので危険である点も注意されます。 四回目、五回目、六回目も残念ながらうまくフレアできません。一回はハード ランディング、二回はバウンスです。セスナって丈夫にできていると本当に実 感しました。こんなに乱暴な着陸で良く壊れないものだと思います。 結局、最後の七回目もうまくいかず、後髪引かれる思いでOrange Countyを後 にしました。 200本着陸しないと着陸はうまくいかないというのを実感した訓練でした。 2001年5月20日(日) 14:30 N30EF 1.6h/10.5h 8th Ldg 5/10 USD204.20/USD1592.24 昨日と打って変わって少し肌寒い天候です。正午の気温が17度。曇り、3100ft にScatteredの、6000ftにOvercastの雲層があります。南東の風、風速12ノット 視界10mile。出来ないこともないがと思いつつAFTSに電話すると飛行日和だよ との事。早速出かけました。 Teterboroでバスを一緒に降りた人がいて、AFTSで会った事のあるような顔だ ったので聞いてみると、やはりStudent Pilotでした。ログ時間はもう40時間 を超えているそうです。訓練の進み具合を聞くと、レッスン12をやっていると の事。私は今、訓練始めて一ヶ月でレッスン7をやってますので、随分進みが 遅い様に思えますが、実はそうではありません。レッスン7から12は各種離着 陸技術の習得とCross-Countryが入っています。と言うことはもうSoloをこな しているという事です。聞いて見ると、やはりSolo修了者でした。 「これからのレッスンがキツイんだよな。」と思いながら、AFTSのドアをくぐり ました。 今日の訓練のメインは離着陸とトラフィックパターンです。Teterboroはトラ フィックが多いのと、着陸料が一回6.5ドルかかるので、離着陸とパターンは 近場のノンタワーエアポートで訓練を行います。 本当は、Orange County(MGJ)が良いのだそうですが、今日は時間がないので、 最初にしては少し難しいのだそうですが、Greenwood Lake(4N1)へ行く事にな っています。(この段階ではどんなに難しいか予想もしていませんでした。) 下調べをした所ではGreenwood Lake(4N1)は名前の通り、湖の側にあるのです が、湖畔ではなく山の中にあります。滑走路は一本で6-24、長さは4000ft、 幅は60ftです。Teterboroでは、短い方でも長さ6000ft、幅150ftですから、 長さが三分の二、幅は五分の二しかありません。正しくノンタワーの名前に値 する飛行場です。 Teterboroは今日は何故かトラフィックが多く、タクシーから待たされます。 容赦なくHOBSタイム(これに基づいて料金が加算されます。)が刻まれます。貧 乏人には苦しい時間です。五分近く待ってから漸くタクシー許可がでましたが、 離陸には更に五分間のホールドがかかりました。 Runway24から離陸し、一旦、針路をいつものシェラトンに向けます。上に上が ると意外に視界が良くありません。高度を2500ftまで上げると雲も結構近くに 見えます。シェラトンで針路を320に変更してから10分程度飛んだでしょうか、 Greenwood Lakeの滑走路が見えてきました。本当に山の中というより、谷を埋 めて滑走路を作ったという感じです。Runway24の手前は大きく落ち込んでいて 断崖になっています。まるで、航空母艦にでも着陸する様に思えます。 その一方で、滑走路の延長線上は尾根が少し低くなっているだけで木々の高さ も結構あります。離陸の時には、出来るだけ速やかに高度を取る必要がありま す。殆ど涙です。 トラフィックパターンへの進入は滑走路と3mileの距離から、一度Runwayの先ま で行ってから左旋回し45度の角度でパターンに入ります。ノンタワーなので、 CTAF(Common Trafic Advisary Freqency)122.90でインテンションをアナウンス する必要があります。 「Greenwood Lake Traffic,Skyhawk,Left Downwind,Touch & Go Runway24 Greenwood Lake」 最初は、CFIがお手本を見せてくれます。 Greenwood Lakeは高度が791ftで、パターン高度は1791ftですから1800ftでDown- windを進みます。滑走路との距離は1 mileもない位です。Downwindレグの真中 に高圧電線のタワーがあるのでそれが目安になります。アビームタッチダウン ポイントでエンジン回転数を1700RPMに落とし、フラップを10度下げます。 滑走路が左後45度になった処で、本当はBaseに旋回するのですが、前にヘリが いて同じ様に練習しています。ヘリとすれ違う処まで、Downwindを延長し、そ れから旋回です。また、ここでCTAFでアナウンスです。 「Greenwood Lake Traffic,Skyhawk,Left Base Runway24 Greenwood Lake」 フラップ20度にセット。Baseを回ってから最後のFinalへ旋回します。ここで もアナウンス。 「Greenwood Lake Traffic,Skyhawk,Short Final Runway24 Greenwood Lake」 滑走路には、まだヘリがいます。 「早く向こう行け。」と叫びたくなりました。 「ヘリが居るので、少し速度を落としましょう。」とCFIは涼しい顔です。 風は左からのクロスウィンドです。左クラブ姿勢から右ラダーを当て滑走路に 正対させ、ヨークを左に回して、サイドスリップの姿勢を作ります。 フラップは30度。速度60kt維持。もうすぐ着陸です。設置する寸前に滑走路と 水平になるよう、少し機首を持ち上げます。視線は手前ではなく、滑走路の中 ほどより前を見ます。 エンジンアイドル。また機首を持ち上げ、機体が落ちるともう一度持ち上げま す。ストールホーンが鳴ってタッチダウン。 タッチアンドゴーですからすぐに、スロットルを押し込み、フラップフルアッ プ。今度は横風離陸ですから、ヨークを左に倒して滑走。スピードが付くと、 ヨークを少しずつ戻します。風が強く、クラブ姿勢での離陸になりました。 「次やって下さい。アナウンスも忘れずに。」とCFIの厳しい命令が下ります。 どうなったかですか。 トラフィックパターンを回るのと、アナウンスは取敢えず何とかなりましたが、 着陸の方は、二回やって二回共オーバーシュートしてしまいました。風に流さ れたと言う事にしましょう。(アナウンスに気を取られたのもあったし...) 面白かった点ですが、Greenwood Lake飛行場のコーヒーショップにはなんと、 ロッキード・コンステレーションという往年の名機が使われていました。以前 オーストラリアで見かけた事もありますが、こんな処で余生を過ごしていると は思ってもみませんでした。 帰路もOradell上空でホールドさせられたりしましたが、なんとか生きて戻れ て本当に良かったというのが率直な感想です。(^^;タラ 前途多難を思わせる今日の訓練でした。 AFTSからバス停への帰り道、双眼鏡を覗いている人がいます。聞いてみると、 イギリス人のスポッターでした。Teterboroに飛来するビジネスジェットをチ ェックしているそうです。私はスポッティングはやりませんが、飛行機には 色んな楽しみ方がありますね。(^^) 2001年5月19日(土) 14:30 N30EF 1.2h/8.9h 7th Ldg 1/5 USD157.40/USD1388.04 今日も天気は良好。ASOSやATISは視界10mileと言ってますが、多少ヘイズがあ るようです。風も地表では、さほどでもない様に思えました。 グランドブリーフィングで今日のレッスンの内容を確認します。訓練のメイン はフードです。つばの広い帽子の様なものを被って、計器盤だけを見ながら操 縦する訓練です。夜間飛行、雲中飛行、計器飛行の為の訓練の初歩と言った処 でしょうか。 フード訓練時は計器の確認をAtitude Indicater,Altimeter,Atitude Indicater, Dirctional Jyro,Atitude Indicater,Air Speed Indicator,Atitude Indicater といった具合に順番に組織的にやらないといけませんが、Atitude Indicater (姿勢指示器)をチェックするのが基本です。 この辺の説明を受けてから訓練を開始しました。 プリフライトチェックを終え、クリアランスでVFRの許可とスコークコードを貰 います。途中でエンジンラインナップをしてからいよいよ離陸です。今日は、 Runway24ですのでタクシー距離は短くてすみます。 少し横風があって流されますが、無事にテイクオフ。高度500ftで針路を350に とって目標のシェラトンを見つけようとしたのですが、なかなか見つかりませ ん。 「高度、高度。」 と早速、CFIからお叱りの声。 もう高度が1000ftを超えています。すぐにエンジン回転数を落としましたが、 150ft行きすぎてしまいました。(>_<) ドタバタしながら、漸く高度を1000ftにして巡航状態にしました。 「はい、操縦替わります。これつけて下さい。」 「えっ。もうやるんですか。」 「そうです。時間がもったいないでしょ。」 「......(^^;」 フードを付けても、実はわきの方から少しは風景が見えるんですけど、それで は訓練になりませんから、なるべく、計器盤(パネル)だけを見る様にします。 視線をさっき、教えて貰った順番に移していきますが、なかなか順番通りにな りません。そうこうしてる内に、風もあって高度や針路がどんどん変わってい きます。高度1000ft、針路360を維持するのが、いつも以上に苦労します。 「意外に風がありますけど、いつもこんなもんですから頑張って下さい。」 「了解です。(>_<)」 風に煽られるんで、体の方は回っている様に感じたり、上ったり、降りたりし ている様に感じられるのですが、計器の方は、逆を示したりしています。 「感覚と計器の指示は随分違うもんなんですね。」 「そういう時は大体は計器の方が正しいと思って下さい。大体はですね。」 「.......(^^;タラ」 「次は高度を2000まで上げて下さい。」 「上がりながらヘッディング90に。」 「高度、針路維持して下さい。」 「.......(^^;」 「次は2500まで上げながら、ヘッディング360。」 「今度は2000まで降りながら、ヘディング270に。」 「高度、針路維持して下さい。」 「.......(^^;」 「次は、ヘッディング90に。」 「高度、針路維持して下さい。」 「.......(>_<)」 「はい。お疲れ。フード取って良いですよ。」 「\(^^)/バンザーイ」 フードを取ると、いつもの訓練空域の北の外れの方にいました。視界が利くの がこんなに有難いものかというのが率直な感想です。 でも疲れました。実は結構クタクタだったりします。 「時間ありますから、スローフライトとストールやりましょう。」 「.......(>_<)」 出来の方はどちらかというと散々に近かったのではないでしょうか。 スローフライトでは高度は維持できないし、パワーオフストールでは、一回で 三度もストールさせるし、パワーオンストールではリカバリー時に30度もヘッ ディング違ってます。(二回もやらかしました。) 前回やらなかったので、少し感覚が鈍っている様です。やはり、訓練は時間を おかずにやらないと駄目ですね。(^^; ミスは帰路も続きます。 ATCから、Runway6へのレフト・トラフィックパターンを指示されたのですが、 ライト・トラフィックパターンを指示された勘違いして、針路を左に向けてし まいました。 ATCからは「Keep Heading 250。」と、きついお叱りが入ってしまいました。 それをまた勘違いしてCFIに「レーダーベクターされてるみたいですね。」とい ったら。 「今のは怒られたんですよ。」とCFI。 「(>_<)」 肝心のトラフィックパターンではファイナルまでは何とか、うまく持ち込みま したが、クロスウィンドになったので、CFIが最後はサイドスリップで調整し てランディングとなりました。 今日は、最後まで、疲れたというのが実感でした。 明日はなんと着陸訓練を指示されました。さて、どうなる事やら。 2001年5月13日(日) 13:00 N98786 1.7h/7.7h 6th Ldg 1/4 USD215.90/USD1230.64 昨日と打って変わって、今日は、良い天気です。気温が低い分視界がグッと良 くなりました。ただ、少し風が強い点は同じです。ガストがあって、風速が一 定していません。今日のレッスンはターンアラウンド・ア・ポイントとS字タ ーンなので、私の本音は弱い風が一定方向に吹いて欲しいのですが、そうは問 屋が卸しません。 テタボロー空港の状態は昨日と同じで一本が閉鎖、もう一本が概ね半分しか使 えません。昨日とは逆でランウェイ1 まで延々とタクシーしました。トラフィ ックの状態も昨日と同じで、前にも後にも飛行機がおらず、その点はタクシー が長くても気楽です。タクシーが長くなる事が多いのでタクシーに限っては、 さすがに黄色のセンターラインを外す事は少なくなってきました。 ランウェイエンド手前に止まり、タワーに連絡です。 「Tetaboro Tower, Skyhawk98786, Hold short runway 1, Request to take-off.」 すぐに返事が返ってきました。 「Skyhawk786, Cleared for take-off.」 「Roger, Cleared for take-off, 786.」 スロットルを押し込んで離陸。風向はほぼ北ですので、昨日の様な事もなく、 真っ直ぐに離陸します。離陸滑走中にガストで少し振られますが、機速は60ノ ットを超えていますから、そのままピッチを上げ離陸を継続します。 ランウェイ1 の延長線のすぐ左にあるABCタワーをかすめる様にして上昇して いきます。いつも通り、テタボローのクラスB 空域内は1000ft、そこを出てか らは2500ftまで上昇です。(なお、このエリアは3000ftから上がラガーディア のクラスB 空域になります。時には3000ftまで上がる事もありますが、いつも は500ftの余裕を見て2500ftにしている訳です。) 今日はグランドリファレンスが必要なので、いつもよりかなり北西に入った場 所、通称オニオンフィールド(たまねぎ畑ですね。(^^)ゞ)迄、行かなくてはな りません。その分飛行時間も多めに予約してあります。 今日のレッスン科目であるターンアラウンド・ア・ポイントにしてもS字ター ンにしても、地表から1000ftをぐるぐる回る訳ですから、人家が少ない処で、 しかも、目印に成るようなものが必要な訳です。いつもの訓練空域は、森の上 ですから、人家が少ないのは良いのですが、目標点からどの位外れているか目 安になるものが少ない。その点、畑は、目標点からの距離を掴むにも便利で、 道もありますので、S字をやる時にも便利と言う訳で、わざわざ、オニオンフ ィールドまで行くのです。 オニオンフィールドまでの飛行は風に揺さぶられる事はあっても快適だったの ですが、オンオンフィールドにつくや否や冷や汗に変わりました。 まずは、風向を、旗や土ぼこり、湖面の漣などを確認します。大体360から吹い ているようです。 最初はターンアラウンド・ア・ポイントです。オニオン畑の真中に立っている 木が目標ですが、CFIが見本を見せて呉れます。ダウンウインドから左周りに ターンに入っていきますが、追い風なので最初からスティープターンになりま す。40度近いバンクになりました。スティープターンでも45度バンク以上は、 使ってはならない事になっていますが、最初から凄いバンクです。少し冷や汗 がでます。こんなバンクは初めてです。G もかかるので、少し気分が悪くなっ てきました。 回転するに従って風と機体の向き、従ってグランドスピードが変わってきます ので、それ合わせたバンクを取ります。スティープからミディアム、ミディア ム、ミディアムからシャロー、シャロー。これで半回転終わり、あと半分。 シャローからミディアム、ミディアムからスティープ。これで一回転終わり。 次は私の番です。 スティープ。おかしなもので自分でスティープやる分には気持ちは悪くなりま せん。ただ、深いバンクに対するピッチの上げ方が大きすぎ、高度が上がって きます。バンクを調整しているつもりでも、実際には変わっていません。高度 ますます上がります。漸く一回転。 「高度は一定を保って下さい。それに随分風に流されてます。高度1500ftに戻し てから、もう一回。」 CFIの声がヘッドセットから無常に流れます。 二回目、ダウンウインドから入ります。スティープ、ミディアム、シャロー、 ミディアム、スティープ。今度は高度は概ね良好。でもやはり流されてます。 FAAの実地テストでも、このターンアラウンド・ア・ポイントは必ずチェック されます。 「もう一回やりましょう。」とCFI。 三回目の出来は二回目に毛が生えた程度でしょうか。 「今日はこんな処でしょう。風の影響があるので、横風になる時はクラブアン グルを意識して下さい。」 頭の中では分かっているつもりですが、実際にやってみるとうまくいかないも んですね。 今度はS字ターン。CFIがお手本を示します。S字ターンの注意点は、ダウンウ インドで入ったらすぐにスティープターンに入る事。逆にアップウインドでは 道路に入った処でレベルオフし、暫くはそのまま進んでからシャローバンクに 入る事です。これは、風の効果によるグランドスピードの変化を意識したプロ シージャです。風向と機体の向きを加味したバンクの取り方はターンアラウン ド・ア・ポイントの時と同じです。目標は今度は点ではなく、風向に直行する 道を使います。 さっきのターンアラウンド・ア・ポイントと違って、やっていても結構、楽し めました。ただ、さっきと同様、やはり風に流される傾向がでてしまいました。 今度やる時はこれをかなり意識しないと駄目ですね。(^^ヾ S字ターンも三回練習して、帰路に着きました。 オニオンフィールドから、いつものランドマークである、パークリッジの大き なビルまではヘディング120度で2500ftでの巡航飛行です。かなり長い直線飛行 になります。帰る途中で、オニオンフィールドに向うセスナとすれ違います。 とはいっても随分離れていたのですが、皆同じように練習しているんだ と、 少し、ホッとした気持ちになりました。 バークリッジからはOradellへ1500ftまでの緩降下。Oradell上空でタワーにコ ンタクト。タワーからは今日はレフトダウンウインドへ入ってからランウェイ1 への着陸を指示されました。 レフトパターンは本来ノーマルなアプローチですが、訓練を開始してから初め てです。昨日はストレートインでしたから、今週は初めてのアプローチが多い ですね。滑走路との距離を一マイル程とってダウンウインドに入ります。ヘデ ィングを180度にとってるんですが、おかしな事に滑走路がだんだん近づいて 来る様に見えます。マグネットコンパスを見るとなんと、210度を指してます。 ヘディング・インディケータは離陸前に調整しているのですが、それが狂って きていたのに気がつかなかったんです。(なお、教本には、15分置きにチェック する様に書いてあります。) 「ヘディング・インディケータは狂う事もありますから、アプローチの時は目で 見て滑走路まで同じ間隔を取るようにして下さい。尤も、この機体が特に良く 狂うって別のインストラクターも言ってましたけど。」 それ先に言って欲しかったです。 文句をいう閑もなくベースへのターンのタイミングです。滑走路との距離はあま り離れていませんから、ベースの後、すぐにファイナルになります。私は結構あ せり気味なんですが、CFIは涼しい顔です。 ファイナルに入っても、高度がやや高いので、CFIがフォワードスリップさせ 降下率を上げます。VASIが白赤になった処で、私の操作になります。センターと のアラインはOK。少し高いかなと思いましたが、フレアー。着地。少し高すぎる。 大きくバウンドしたので、自然にヨークを押し込みます。 「すぐにヨーク戻して。」 CFIがヨークを戻すのを私は手を添えているだけでした。 「フレアーが高かったですね。バウンドした時には、押し込むのは良いんですが、 すぐに戻すようにしないと今度は前輪から着地してしまって、またバウンドし ますよ。」 その通りなんですよね。頭では分かってるんですが。 2001年5月12日(土) 14:30 N5382K 1.1h/6.0h 5th Ldg 1/3 USD145.70/USD1014.74 今日は、取敢えず訓練はできたもののはっきりしない天気でした。朝方は好天 で、テタボローに行く前12:30にASOSで確認した処では、西の風、風速7 ノット、晴れ、気圧29.79とか言っていたので、張切って出かけたのですが、 バスに乗っていて、前を見ると結構雲が厚く、天気が崩れ出したのに気がつき ました。(前線が通過中だったようです。)テタボローに着いた時には雨がパラ ついていて、訓練キャンセルでも仕方がないかと思わせる程でした。 ただ、雨は驟雨という程度で収まり、CFIと一緒にレーダー天気図見ましたが、 今かかっている雲が流れてくれると余り厚い雲はもうないようです。 「なんとかなるんじゃないですか。」とCFI。飛行場まできてからキャンセルにな るのは堪らないので、訓練への期待が高まります。 私の使用する機材は、予約した時間になっても帰ってきません。時間が経てば 経つほど、天候は好転するので、いつもならジリジリする処ですが、今日はゆ っくり帰ってきて欲しいとゲンキンなもんです。 結局、レッスン開始は二時半になりました。雨は幸い上がってくれたのですが、 風がかなり強くATISは12ノットといってますが、ガストがあって、時折15ノッ ト以上になっています。 プリフライトチェックもそこそこに早速、タクシー開始、滑走路に向います。 今日は、テタボローの2本ある滑走路の内6/24が閉鎖中、もう一本の1/19も 19の末端からタクシーウェイ C までがスレッショルドになっています。 ということは、7000ftある滑走路の内、3000ftは使えない(滑走路灯の取換え 工事だそうです。)という事になります。また、風向は270度ですから、横風離 陸という事になります。 「クロスウィンドテイクオフはまだ教えてませんから、離陸は僕がやります。」 CFIの言葉に少し安心できました。 滑走路がこの状態ですし、天気も今一つなので、いつもに比べ、トラフィック が少ないというのが、数少ない有利な点です。タクシーしてても前にも後ろに も飛行機がいません。 さて、ランウェイ19にチャーリーから入り離陸です。右クロスウィンドになり ます。CFIのお手並み拝見。 横風タクシーと同じ具合に、風上側のエルロンを上げて滑走を開始します。(ヨ ークを右に切った状態。)スピードがつくのに合わせてエルロンの傾きを戻し、 60ノットで、ニュートラル、機首を上げて離陸しました。これがクロスウィン ドテイクオフのプロシジャーだそうです。 離陸するとすぐに、私がコントロールを貰いました。ここからはいつも通りの 1000ftに上昇。テタボローのクラスD 空域を抜けた処でタワー指示でスコーク をVFRセット。2500ft迄上昇します。 いつもと比べ視界が悪く、またガストもあって、上昇中も上下に揺さぶられま す。実はジェットコースターがあまり好きじゃなかった事を思い出してしまい ました。 今日の訓練内容は前回と同じでスローフライトとパワーオフ、パワーオン ス トールです。まずはクリアリングターンをしてからスローフライトですが、プ ロシジャーは覚えていたのですが、風がある事もあって(という事にしよう) 針路が外れそれを直そうとすると今度は高度という具合で、ちぐはぐになるの は前回と同じです。シミュレータではうまくいったんですが、やはり実機は違 いますね。うまく行きません。CFIも中々OKといってくれないので、延々とスロ ーフライトを続けます。なにか綱渡りをしている様な錯覚に襲われました。 漸く、スローフライトのターンに入ります。これは概ねOK。ストールの訓練は ハドソン川の上で行います。 最初はパワーオフストール。ストールリカバリー自体はそこそこでしたが、巡 航に戻す処で、十分速度を回復しない内にフラップを上げ出してしまうという 大失敗です。 「どうなるかやってみましょう。」とCFI。 機速はまだ70ノットの手前です。フラップアップと同時に機首が下がり、ダイ ブと迄は行かないにしても、かなりの降下になります。それから、もう一度、 巡航までのリカバリーをやってから、今度はパワーオンストール。 こちらは殆ど高度損失もなく、うまくリカバリーできました。巡航状態に戻し た処でCFIが言いました。 「リカバリー操作は巡航状態まで戻す事までが入りますから、さっきのパワー オフストールのリカバリーの仕方ではリカバリーが完了したとは言えません。 その点パワーオンストールのリカバリーは良かったですよ。」 視界の状態も、風の状態も良くないので、帰路につきました。いつもははっき り見えるマンハッタンのビル群なんかのランドマークが殆ど見えません。 まるで、視界の利く範囲の中だけが透明であとは霞んでいるドームの中を飛ん でいる様でした。 着陸はランウェイ19にストレートインです。Oradellからは一度、針路を240に とってからランウェイの延長線上にアライン。これはうまく行きましたが、横 風着陸になるので、最後はCFIがコントロールを取り機体をサイドスリップさせ ながらのクロスウィンドランディングになりました。 AFTSに戻ってから、私が「サイドスリップもやってみたかったんですが」と小さ な声で言うと、CFIは「アプローチが高かったし、まだ、普通の着陸もやってな いんですから、サイドスリップはちょっと早いかもしれませんね。」との事。 「はあ。ごもっともです。」 AFTSを後にしてから少したった処で、また雨が振り出しました。 2001年5月06日(日) 10:00 N6592K 1.3h/4.9h 4th Ldg 1/2 USD169.10/USD869.04 一週間ぶりの練習になりました。元々、この週末は自動車の練習があり、(ま だ、こちらの運転免許もとれてないのです。(^^) 飛行機の練習は入れていな かったのですが、幸いにも、車の練習時間が変更となり、AKI教官(CFI)にも 予約のキャンセルが入ったので、練習ができる事になりました。 本当に皐月晴れという表現がぴったりの好天に恵まれました。昨日は30度近く まで気温が上がっていたのですが、今日は打って変わって肌寒く感じられる位 です。ASOSで天候をチェックすると朝八時では10度しかありませんでした。 風速は6ノット、視界は10マイルです。この風と視界であればWeather Cancel はありません。いそいそとTeterboroに出かけました。 プリフライトチェックやエンジンランナップも段々と手際良くできる様になっ てきました。タクシーにも少しずつですが自信がついて来た様に思えます。 ただ、タワーに連絡して離陸許可を貰う処で少しもたつきます。定型文は言え るのですが、少し外れるともたつくのは前回と同じ。 今日はRunway24を使っての離陸になりました。タクシーする距離が少なく、 HOBSタイムを有効に使えます。 離陸すると真正面から接近してくるセスナが居たので通常よりも早めに右旋回 し針路350をとります。Teterboroの空域内では、トランスポンダーをセットし ていなくてはいけません。これはタワーに離陸許可をとった時にもらいます。 飛行場から大体10マイル離れた処でタワーからの連絡が入りトランスポンダー をVFR用の「1200」にセットします。 これから一気に2500ftまで上昇します。四回目になったので、1000ftの高度維持。 上昇は比較的スムーズになったので、少しは外を見まわす余裕がでてきました。 先週までは茶褐色だった山並みが一気に若葉色に変わっているのに気がつきま した。ほんの一週間で様変わりです。 今日のレッスンメニューはスローフライトとストールです。 最初はスローフライト。クリアリングターンをしてから、プリランディングチ ェックをやります。それからエンジンの回転数を1700に落とします。次にフラ ップを下げますが、ゆっくりフラップを降ろしていたら速度が下がりすぎ、高 度も落ちてきました。 CFIから「スピード注意。高度落ちてる。ヘディング違ってるよ。」と注意が飛び ました。スロットルを押し込んでもなかなか高度も速度も上がりません。高度 があがってきたら今度は逆に上がり過ぎです。フラップを降ろすだけで随分飛 行特性が変わります。へなへなになりながら今度はターン。高度、速度は維持。 これは前回に比べ多少はましになったようです。 次はストールです。最初はパワーオフストール。CFIが手本を見せてくれます。 ここでも最初はクリアリングターン。途中まではスローフライトと同じで、速 度が55ノットになった処で、スロットルをアイドルにし、高度、針路を維持し ます。だんだんピッチが上がっていき、ストールホーンが鳴ります。急に機首 が落ちた。これがストールです。すかさずスロットルをフルにし、キャブヒー トをオフ。機首が持ちあがりこれで回復操作完了です。 今度は自分の番、さっきのスローフライトの時と違いフラップダウン、55ノッ トまでは順調。スロットルアイドル。ピッチアップ。ストール。 機首落ちる。勝手に手がヨークを押し込んでいる。 落ちる。落ちる。まっ逆さま。(>_<) 「スロットル。早く。」 漸く、スロットルを押し込んだ。リカバー。 「ダイブしちゃ駄目ですよ.........。」 「はい。(@_@)」 「もう一回、やりましょう。」 今度は、そこそこでした。ストールしたら素早くスロットルを押し込むのが、 ストールリカバリーのコツだというのが分かりました。 もう一つ。 ストールの時も針路は維持しなくてはいけません。ストール時にはエルロン は信頼できないので、ラダーだけで針路維持をしないといけないのです。 今度はパワーオンストール。(別名ディパーチャーストール。) これもCFIのお手本通りにやります。 今度はフラップを使わずに、スロットルを絞り、速度を60ノットに下げます。 それから、フルスロットルにして、ピッチを上げます。殆ど真上を向いた頃、 ストールホーンが鳴り、ストール。ピッチを下げ、傾いた側と反対側にラダー を当ててリカバー完了です。パワーオフストールに比べればまだマシでした。 もう一度やりたかったのですが、残念ながら帰る時間になってしまいました。 帰路、ATISを聞こうといたのですが、ATISの周波数に合わせても雑音が聞こ えるだけです。 「丁度ATISを切りかえてる処なんでしょう。」 「こういう時は、タワーにコンタクトする時は、With Information なんとかの 処をNegative ATISっていって下さい。」 「分かりました。」 (定型文じゃないと困るんだけどな。(^^; ) 「Teterboro Tower, Skyhawk 6592K, Over Oradell, Inbound, Negative ATIS.」 フッー。なんとか言えました。 Oradellで高度1000ftでRight Downwind legに進入しましたが、今日も、空港 に近すぎるとタワーに怒られました。ハッケンサック川の向って左側を飛ばな いといけないんですけど、その延長線上には工場の煙突があって、この上は飛 んじゃいけないと言われてますので、兼ね合いが結構難しいです。 「着陸、ギリギリの処までやって下さい。」とCFI。 前回もやりましたから多少は心構えがあります。これが前回と違う処です。 ダウンウインドでアビームタッチダウンポイントでフラップ10度。エンジン回 転数1700rpm。高度を下げながら、ベースへ。ベースに入った処でフラップ20 度。滑走路を横目に見ながら、ファイナルへ。1500rpm。アプローチはなかなか 良い具合です。ただ、...........機首が右にずれていきます。どうして。 「クロスウィンドですね。替わります。」 あと少しで自力着陸だったのに惜しい処でした。 AFTSに戻ってからCFIからのお言葉。 「ストール怖くなかったですか。じゃあ、来週も同じメニューでやりましょう。」 「...........」 (流石に、ダイブした時は怖かったです。) 2001年4月29日(日) 14:00 N5378K 1.3h/3.6h 3rd Ldg 1/1 USD174.10/USD699.94 前日同様の素晴らしい好天に恵まれました。ASOSに電話で確認すると「Wind Calm, Visibility 10mile」とか言ってます。AFTSに電話する事もなくTeterboro に向いました。 昨日の今日ですから、プリフライトチェックは万全です。機体も昨日と同じで N5378Kでした。昨日ミスした処も今日はOKです。と少し自信をもっていたので すが、あっという間に自信は砕かれます。CFIからATCを昨日より多目にやって みましょうと言われ、とたんにオタオタ仕出しました。少し心にあせりがある だけで、ランナップチェックでマグネトチェックを忘れるし、エンジンはオフ にするしで散々です。 今日のランウェイは1で初回同様延々と1.5mileタクシーしないといけません。 初回よりは、随分ましですが、それでも変な操作がでてしまいます。 チャレンジャーが前に居るのでちょっと距離を空けながらついて行きます。ラ ンウェイエンドにはジェットが4機、セスナが1機離陸を待ってました。 それでも三番目に離陸を許可されラッキー。ただ、私のATCの拙さに管制官が 苦笑してました。離陸許可にはスムースに出発する様にとの但し書きがつきま した。ローリングテイクオフでタクシーからランウェイに入りすぐスロットル を押し込んでテイクオフしました。そのままのヘディングで高度1000ftを維持 訓練空域に向います。 途中、タワーからのVFR許可がでて2000ftに高度を上げ更に3000ftに上昇します。 今日の課題はクリアリングターンとスローフライトです。 クリアリングターンは空中操作の前に必ずやらないといけないと注意を受けま す。30度バンクを使い、まず左に90度旋回、次に右に90度旋回。90度旋回のコ ツは、遠くにあるランドマークを目標にする事です。 それから本日のメインエベントであるスローフライトです。 スローフライトに入る前にプレランディングチェックをやります。 Fuel Selector Both Cab Heat ON(ひっぱります) (Landing Light ON) Mixture Rich 針路、高度を維持しながら回転数を1700回転に落とし、更にフラップを順次下 げていきます。速度が110ノットを切った処でフラップ10度ダウン、速度がホワ イトアークに入った処でフラップ20度。更に速度が下がった処でフラップ30度。 ここで、速度を55ノットに維持します。 エンジン回転数は2000回転にセット。その上で10ディグリーバンク(スローフラ イト時はこれ以上のバンクは禁物)で左右に90度ターンをやります。 こう書くと簡単ですが、やってみると大変です。上空は風が昨日と同じ位ある のでスローフライトで針路、高度、速度維持がなかなか大変でした。 とても合格には程遠い状態で、肉体的には心理的にも結構疲れました。 昨日と同じ素晴らしい光景が眼前に広がっていたのですが、とても外を楽しむ 余裕などなかったというのが本音でした。 帰路も、またまたお初が続きます。Oradellまでのディッセンド、タワーへのコ ンタクトまでは昨日と同じでしたが、「今日はダウンウィンドレグにうまく入っ て下さい。」とのCFIの声が非情に響きます。Oradell上空通過中になんとタワー から着陸許可がでました。「今、丁度空いているんでしょうね。」とCFIも少し驚 いていました。危なっかしいのを早く降ろそうとしたんじゃないかというのが 私の感想です。 今日は初めてが多いなあと思いつつ、昨日はタワーにダウンウインドがランウ ェイに近すぎると言われていたのを思いだしハッケンサック川の向って左岸を 飛ぶようにしましたが、これは少し距離を空けすぎだったようです。(普通の トラフィックパターンではランウェイとの距離を0.5mile〜1.0mileとれば良い のですが、Teterboroは交通量が多いので、2mileは空けないといけない様です。 管制官も結構神経質です。) 「じゃあベースに入りましょう。全部自分でやるつもりでやってください。」 「エッ。着陸までやるの。」 私は心の中で叫んでました。 高めのアプローチになりましたが、ファイナルに入ります。滑走路にうまくア ラインしたつもりが少しずれています。 「もう少しですね。こうやって合わせるんです。」と言いながら、CFIが左旋回 、右旋回し滑走路にキチンとアラインしてくれました。 「クロスウィンドなんでラダーは僕がやりますから、後はやって下さい。」 滑走路は目の前です。高度はあと100ft位かな、スロットルを引きながら、降下 率を調整し、あと10ftという処でウイングローを解除します。一度軽くバウン ドした後タッチダウン。実際には私は半分位しか操作していません。ランディ ングはまだまだだなと思っていると、AFTSに戻ってから、CFIが「あれで着陸や った事にしますから」との事。 「あんなんで良いんですか?」 「これから嫌になるほどやりますから良いんです。皆、躓きますから。」 「?!」 随分、おまけを貰っての初自力着陸になりました。 着陸後もグランドとのやり取りを自分でしなさいと言われながら、練習して居 る内にグランドから冷たい指示があり、ほうほうの体でハンガー17に戻りました。 座学では、空中操作とエンジン回転数の関係、及び、トラフィックパターンでの 操作です。 1000rpm エンジンアイドル時。(タクシー中にストップした時もこの回転数にセ ットしないといけません。) 1500rpm ベースレグに入った時のエンジン回転数。 1700rpm スローフライトに入る時 2000rpm 高度、速度維持の時 2300rpm クルーズ中 ランディングクライム中はVy維持。76kt 700ftAGLでクロスウィンドレグに入り、 ダウンウィンドレグに入る時には1000ftAGLを確保。 アビームタッチダウンポイントで1700rpm、フラップは10度に。 ベースレグに入って1500rpm、フラップ20度。 ファイナルに入った処での高度は500ftAGL。速度65kt。(グライディングスピード) フラップ30度。 今日は、本当に疲れたというのが実感です。 2001年4月28日(土) 14:00 N5378K 1.1h/2.3h 2nd USD154.70/USD525.84 先週末は二日共、天気は良かったのですが、ヘイズで視界が利かなかったので、 中止になりましたが、今日は視界クリアーただ風速ギリギリの15ノットでした。 CFIからは「今日は揺れるかもしれませんよ。」と脅かされながら出発となりま した。今日の乗機は、N5378K、前回の乗機N51081よりやや古い感じですが、評 判は良いそうです。 前回の訓練から2週間たっていたのと、今日から全部自分でやらないといけな いと言われた事もあり、プリフライトチェックは我ながらぎこちない感じです。 実際、フラップを降ろして調べないといけないという点を失念してしまいまし た。 プレフライトが終わってタクシー開始ですが、クリアランスにフライトの承認 を貰うATCも今日からは自分でやります。もちろん実際に送信する前に練習して からです。ATCとの複雑なやりとりはCFIがだまってやってくれました。 タクシーはシュミュレータでの練習の為か、前回よりマシでした。もっとも今 回はラインアップをした後、滑走路24まで、ごくわずかな距離しかありません でしたから、実際どの程度、上達していたかは未知数みたいなもんです。 離陸時はラダーを使った調整が今一つ(風の影響か)でしたが、飛び上がって からの空中操作はマズマズだったようです。CFIから高度維持については誉め られました。普通は高度維持を指示されても段々高度が上がってしまうものだ そうです。その点、高度維持についてはPJAで仕込まれてますから、その成果 がでたのだと思います。 前回も感じましたが、上空に上がると特に風の影響が顕著にでます。平地から 山地に入ると上昇気流の為か、上に持ち上げられますし、時には横から殴られ る様な気流もあります。たまたま左旋回中に真横から風を受けたのでバンク角 が60度位までいって少しヒヤッとしました。フライトシミュレータと根本的に 違う点はGの係り方という印象です。突き上げられたり、落とされたりの連続 というのに近かったです。その割に気分は悪くはならなかったのは幸いでした。 前回と違い、多少余裕を持って外を眺める事も出来た様に思います。途中でCFI に、「あれはベアマウンテンですよ。」とか話した程で、「じゃあ行きましょう。」 とベアマウンテンの山頂を飛んだりしました。帰路、遥かにマンハッタンのビ ル郡が眺められます。ATISでは視界10マイルとかいってますが30マイルは優に 見えてます。「ナイトフライトの時も素晴らしいですよ。」とはCFIのお話。 フライトシミュレータがどんなに発達しようとこれに勝るシナリーなど出来る 筈はありません。実物とシミュレータの違いが本当に実感できた瞬間でした。 帰りは前回同様、Lake TappanからOradell上空を通過し、ここでTowerにコン タクトしハッケンサック川上空でベースレグに入ります。アビームタッチダウ ンポイントでスロットルを下げ、高度を下げながらベース、そしてファイナル。 クロスウインドランディングになったので、ウイングローの姿勢で最後に立て 直してタッチダウンでした。今回は多少CFIの操作を観察出来た様に思います。 今日の新しい課題は先ほど書いた簡単なATCと、コーディネーティッドターン、 クライミングターンですが、それ程、問題なかったようです。二回目としては と言う条件付きではありますが、CFIから特に指摘する点はないと言われまし た。高度維持も含め、少し良い気分でした。 飛行後の座学は、Left-Turning TendencyとRight Turning Tendencyです。ト ルク、P-Factor、Slipstream Effectは分かり易い(これは全部左向きの回転要) 素ですが、Gyroscopic Precession、これは実際にジャイロを使うと現象は良 く分かりますが、理屈の方の理解は今一つでした。ピッチアップの時は右にピ ッチダウンの時は左に回転する傾向がでます。 ログ時間は1.1時間。明日も練習できると嬉しいですね。 2001年4月15日(日) 15:00 N51081 1.2h/1.2h 1st USD371.14 急遽、初訓練という事になってしまいました。 元々はBe A Pilotの35ドルのイントロダクトリーフライトをやるつもりでス クールに来たのですが、インストラクターのAKI教官から、 「どうです。来週の予約も入れられてるし、今日は天気もいいからイントロ飛 ばして練習はじめませんか。イントロだと実際の飛行時間は20分程度だし。」 と言われ、それもそうだという事で即、初訓練という事になってしまいました。 AKI教官ですが20代後半の若いインストラクターです。飛行機の方はボストンで インストラクターライセンスを取られたそうです。前回AFTS(スクールの名前。 Air Fleet Training Systemと言います。)へ見学に行った際に、お目にかかっ たのですが、将来はラインパイロットになりたいという夢を持っておられる 好青年(少し古い言い回し?)です。 AFTSへの入校手続きを済ませセスナのマルチメディア教材とオイルチェック用 のコップを購入しました。このコップはすぐに使う事になります。 本日の使用機材はCessna 172P(N51081)です。AFTSはセスナの指定フライトスク ールなので訓練に使うC-172Pが8機あります。 グラウンドでのプリフライトチェック(結構チェック項目が沢山あります。) をやってから、タクシー開始。TeterboroにはRunway01-19と06-24の二本の滑走 路があります。AFTSはHanger17という場所に駐機場があり、Runway24や19だと すぐ近くなんですが、タワーからの指示はRunway01なので、滑走路を二本横切 ってから、1.5kほど延々とタクシーしないといけません。 タクシーの練習には良いのでしょうが、なかなか黄色い線に合わせて走らせる のは大変でした。ラダーだけで操作するのですが、車の運転の調子でヨークに 頼ろうとします。 Teterboroはトラフィックが非常に多い空港です。管制官の指示も早口で何を 言っているのか、殆ど聞き取れませんでした。残念無念です。(>_<) 取り敢えず「Skyhawk51081,Take Position and Hold runway 01」という言葉だ けは理解できましたが、今度は中々離陸許可がおりません。滑走路脇のヘリ ポートにヘリが降りるのを待ってから漸く離陸許可がおりました。(実際には 聞き取れなかったから おりたようです。 というのが正しいのですが。) スロットルをフルに押し込んでから滑走開始。右ラダーを当てないと、真っ直 ぐには進まないと思っていたのですが、それほどの事もなく(AKI教官がラダー を当てていたのかな?)60KIASでヨークをゆっくり引くと機体は呆気ない位簡単 に宙に浮かびました。そのままの状態でクライム。 Teterboroの管制空域を出るまでは1,000ftを維持する様に言われていたのです が最初という事もあってなかなか1,000ftを維持できず結局1,200ft位まで上がっ てしまいましたが、まあOK。教官からヨークは左手だけで操縦し、右手はスロッ トルを操作する様に指導を受けます。また、トリムの取り方も教わりましたが バックプレシャーを抜くように言われてもなかなかうまく行きませんでした。 VFRエリアに入ってから、トランスポンダーを1200(VFRをしている飛行機はこの コードにセットします。)にセットします。 ここでおもむろにAKI教官が尋ねてきました。 「ここでフルスロットルにするとどうなると思いますか。」 答えは高度が上がるなのですが、折角ですから、感覚的にスピードが上がると 答えました。 AKI教官ニコット微笑んで、「じゃあ、やってみましょう。」 フルスロットルにします。機体は機首を上げ上昇に転じました。スピードは逆に 下がりました。 「パワーをあげると上昇します。パワーを下げると降下します。スピードはピッ チでコントロールして下さい。」 「では、またクライムをやってみましょう。」 今度は2,500ftまで上昇します。 今度は2,500ftでレベルオフ。レベルフライトを指示されます。風で煽られるの を除けば、まずまずのレベルフライトです。次は左右のバンクをやります。 15度バンクなので、高度維持も問題なくなんとかうまくできました。この程度の バンクだとラダーは使わなくてもいい感じでした。 うまくいったのは天気が良かったおかげでしょう。 もっとも微風であるにも関わらず、意外に風で上下に振られるのには閉口しま した。これで風が強ければどうなるのかと思います。 次にディッセンドです。レベルフライトでは2300rpmにしていたのを2000rpmに します。こうすると降下率は500〜700fpmになるようです。 ゆっくりと地上を見る余裕はあまりありませんでしたが、以前に住んでいた分 土地鑑があり、教官からのランドマークの説明はなんとか頭に入りました。 AFTSの訓練空域は東側はハドソン川、北はベアマウンティン(ハドソン川の屈曲 部)、西がラムゼー(ランドマークはシェラトンホテル?の黒い建物)、南がオラ デル(オラデル貯水池)という感じになります。 戻る時は、一度、ハドソン川に沿ったDe Forest湖まで行ってからTappan湖 に向けて針路を取り、そこからオラデル貯水池に着くまでに高度を1,000ftまで 下げます。オラデル湖上空でTeterboro Towerにコンタクトし、タワー指示で着陸 という事になります。このDe Forest〜Lake Tappann〜Oradellは大体針路が 190度になっていて、Teterboroのダウンウインドレッグにすっきりと入れるます。 ただ、滑走路って見えにくいものなんですね。本当に近くまで戻らないとわかり ませんでした。 最後の着陸は教官がやりましたが、ダウンウインドからベース、ファイナルへの 進入が思っていたより滑走路に近い場所からかなり深いバンクで入るので驚きま した。着陸してからもトラフィックが多いので、大急ぎで滑走路をタクシーし、 Hanger17に戻りました。 という具合で、気持ちの上では初飛行はあっという間に終わりました。初日のロ グ時間は1.2時間でした。(尤も実際に飛んでいたのは一時間に満たなかったと思 いますが。) 帰りにセスナのマルチメディア教材を持って家路につきましたが、さっきまで本 当に飛行したと信じられない様な、なにか変な気分でした。

BACK TO MAIN INDEX Last Update :2001/11/03