1999年8月15日
カラチ - クウェート
さあ、いよいよアジアを離れ中東に向かいます。最初の目的地はクウェートを選びました。ペルシア湾を実際に見てみたかったのが一番の理由です。カラチ-クウェートの飛行距離は1053.1マイル。これまででもっとも長い距離を飛ぶことになります。普段より少しエンジンを絞って飛ぶほうがよさそうです。
クウェート国際空港はDan
Buckheitさんの作られたokbkdmb.zipを使わせていただきました。この空港は実際の空港を模したものではありませんが、砂漠の中の空港という雰囲気をよく出している空港です。
カラチ空港を飛び立ったダッシュ8
カラチの現地時間12:30、いつものように燃料を満タンに積み込んだ愛機のエンジンに火を入れました。今日のカラチの天候は曇りですが所々晴れ間も見えています。本来でしたらオルタネートがないし、クウェートの天候をATISで調べておきたいところですが、あいにくクウェートにはATISはないようです。「えーい、ままよ」とばかり運を天に任せ、飛び立つことにしました。
カラチ空港の25R滑走路を飛び立ったダッシュ8は高度3000でフラップを畳むとGPSにより一路クウェートに向けて飛んでいきます。FL260でレベルオフ。オマーン湾に面したパキスタンからイランの海岸線沿いに比較的揺れもなく安定した飛行を続けます。
パキスタンの海岸線を飛ぶ。左にオマーン湾を望む。
ところがイラン高原の真ん中、ちょうどホルムズ海峡を超えた辺りから急速に下界の天気が悪くなってきました。比較的高い高度に巻雲が見えるのですが、その下は一面灰色で、雲というよりガスっているという感じで下界は全く何も見えなくなってしまいました。こんな風景は初めて見ました。砂嵐か何かでしょうか?若干気流も乱れてきたようです。高度を240まで落としたところ、ガスの中に入ってしまったように視界が利かなくなってしまいました。やむを得ず高度を280まで上げ、下界にガスを見ながらひたすらクウェートを目指します。
マップビューではすでにペルシア湾上空に入ったにもかかわらず、残念ながら下界は何も見えません。ほどなくクウェート空港のVOR
109.0MHzを受信しました。目的地まであと80マイルで降下を始めます。
かずむ中をクウェート空港にILSアプローチする
風向きもわからないので、比較的直線でアプローチできる33Rを目指すことにしました。ILS
110.50MHzに乗りながら、かすむ中をアプローチしていきます。やがて下界に霞を通してペルシャ湾と砂漠とおぼしき陸地、その中にクウェートの市街でしょうか、いくつかの高層ビルも見えてきました。まもなくランウェイがインサイトされました。もうまもなくランディングです。
クウェート33Rへのファイナルアプローチ
霞んでいる中をILSに乗ろうとウロウロしているうちに失速警報が鳴ってしまいました!慌ててスロットルを上げますがなかなか加速せずオートトリムで機首が上がったままのアプローチになってしまいました。最後はマニュアルで何とか降りたのですが、もしやけつをこすったか??
あわててリプレイで確認しましたが、かろうじてセーフのようです。(笑)あわやクウェートでこの企画も終わってしまうところでした。(笑)
砂漠の中のクウェート空港
建物そのものは近代的なビル。エールフランスのジャンボの出発便とすれ違う。最終的にクウェート到着は現地時間の15:51、飛行時間は4時間21分で、使用燃料は738ガロンでした。お疲れさま。