1999年9月4日

レイキャビク - ゴットホープ

 さあ、北大西洋越えを続けましょう。アイルランドから北米大陸まではまだ2000マイル以上あります。そこでグリーンランドで給油を行うことにします。FSデフォルトではグリーンランドの西岸にゴットホープという街があります。ここを中継地点とすることにします。

 グリーンランドはMalik Hansen氏の作られたGreenland Scenery Ver 1.5 (grl_1_5.zip)を使わせていただくことにしました。このシナリーを入れるとグリーンランドというのが雪と氷と山に閉ざされた大変厳しい地域であることが実感できます。ゴットホープという空港はNuukという街にあるらしいのですが、FSデフォルトでは海岸線にちょっとした集落とそのそばに短い空港が配置されていますが、このGreenland Sceneryを入れてやると、海岸べりの小さな集落のそばに険しい山がそびえ立っていて、その中腹辺りにまるで空母のように滑走路が見えてきます。実際にSlewモードでその滑走路に飛行機を持ってきて、ホンの少し後ろにずらすとすぐに切り立った崖から下に落っこちてしまいました。これは大変な難所です。おまけにATISなどもなくて気象条件もわかりません。滑走路も950メートルしかなく、むろんDASH 8では余裕ですが、手前が崖で、となるとずいぶん気分的にシビアです。

 バーチャルの世界ではレイキャビクに到着したのが夕方3時過ぎでしたので、安全を見込みレイキャビクに一泊し、翌早朝出発することにしました。レイキャビク現地時間0700、エンジンに火を入れます。

朝7時強風のケフラビーク空港にて

 今日のレイキャビクは天気こそ晴れていますが、大変な強風が吹き荒れています。ATISによれば246度から34ノット(風速16メートルぐらい)という強風です。ゴットホープの天気がこんなであったらどうしましょう。オルタネートもないのに。ちなみにレイキャビクからゴットホープまでは755.3マイルですから、戻ってくることはできなそうです。とにかく燃料を満タンに積み込み、いちかばちかでRWY 24より離陸しました。

強風で大きく左に流される愛機

 懸命に機首を立て直しながら、上昇を続けます。見る見る左へ流されていくのがわかります。ただ距離は短いので、多少逆風に逆らって飛んでも取りあえずは心配なさそうです。アイスランドを後にし、方位306度でグリーンランドへ向かいます。今日の巡航高度はFL210、上空はさほど揺れはありません。

一面氷に覆われたグリーンランド上空

 1時間半ほど北大西洋上空を飛行すると下界に大きな陸地が見えてきました。雲の合間から見える大地は一面真っ白な氷で覆われています。これがグリーンランドです。氷以外何も見えず、砂漠の上とはまた一味違った神秘的な気持ちになります。

 氷に覆われた大きな山脈を越えしばらく飛行していくと、まもなくゴットホープのNDB 314KHzを受信しました。幸いにしてGPSにより、空港までの距離がわかりますので、60マイルを切ったあたりで降下を開始しました。

ゴットホープ近くの険しい山並み

 高度を5000フィートまで下げていくと、LLZ/DME 110.30MHzをキャッチしました。左手には険しい山並みが見えています。

ゴットホープ空港へのアプローチ

 高度2000を切り、前方に険しい山腹を切り開いたまるで空母のようなゴットホープ空港をインサイトしました。ローカライザーとPAPIを頼りに慎重にアプローチします。とにかくちょっとでも早目に高度を下ろせば崖に激突だし、もたもたしていれば滑走路は短くてオーバーランするし。ムチャクチャ脈拍が早くなるのを感じながら操縦桿を握ります。いつもより気持ち高度を高めにアプローチし、GPWSをたよりにやや強めにタッチダウンさせました。バウンドはかろうじてしなかったようです。思いきり急ブレーキをかけてしまいましたが、機は余裕で滑走路の2/3程度で無事止まってくれました。おぉ、スリリング!

滑走路上で反転する右側には山肌が迫る。

何とかゴットホープ空港のターミナル前に無事駐機させました。現地時間の0655、エンジンを停止させます。飛行時間は2時間55分、使用燃料は550ガロンでした。この旅一番の難所、まずは無事クリアです。お疲れさま。

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