1999年9月4日

ゴットホープ - シャーロットタウン

 いよいよあと一息で北米大陸です。元気で頑張りましょう。北米大陸最初の街はカナダのプリンス・エドワード・アイランドにあるシャーロットタウンを選びました。GPSによれば699.2マイルの距離です。(これが第一の誤りでした。詳細は後述(笑))この距離ならDASH 8なら何ということはない距離です。でも念のため燃料はいつものように満タンに積み込みました。(これで救われた ^^;) シャーロットタウンはいくつかシナリーが公開されていますが、ここではGlenn Richardson氏の制作されたCharlottetown Scenery for FS5.1 (cyyg_51.zip)を使わせていただくことにしました。ただこのシナリーはそのまま使うとデフォルトの滑走路などがそのまま残ってしまいますので、Gravin Barnicoat氏の作られた競作のCharlottetown, PEI (chrlnapt.zip) (このシナリーもとてもよくできているのですが、レイアーの関係か近づくと陸地が水没するなどの現象が起きます)の中から、excludeファイルだけを使わせていただくことにしました。

 ゴットホープ現地時間0800、エンジンスタートさせます。天気はまずまずです。ATISがないのでよくわかりませんが、とにかく北東からの風が結構強くふいていることは間違いありません。元々滑走路が短い空港ですので、RWY06から離陸することにしました。滑走路を目一杯使って離陸します。

空母のようなゴッドホープ空港を離陸する

 機は離陸するとすぐに左旋回でシャーロットタウンに向けて進路をとります。

切り立った山と無数の島のゴットホープをあとに。

 おそらく強い追い風なのでしょう。高度をFL210まであげるとどんどん加速して、ときにoverspeedのサインが出ます。多少揺れるので少しずつ高度を上げ、結局FL260でレベルオフしました。離陸してまもなく下界にはどんどん雲が広がっていき、最後の大西洋越えは雲海上を飛ぶことになりました。(この雲が第2の誤算)

 雲海上を飛ぶこと2時間ほどでGPSが目的地まであと100マイルと告げました。シャーロットタウンにもATISはありませんので、下界の天候はよくわかりません。またVORを113.80MHzにセットしましたが、これも全然受信しません。これまでの旅でもアドオンのシナリーでは本当にこういうことはよくあることなので(これが3つ目の誤算 ^^;)、気にせずあと70マイルを切ったところで、降下を始めました。ひとまずFL120まで下ろしますが、雲海はまだ遥か下です。目的地まで30マイルを切ってもVORは反応しません。厚い雲で下界は見えないし、だんだん不安になってきます。頼りになるのはGPSだけです。さらに高度を7000、5000と下ろしていくのですが、まだ厚い雲海は下方に広がり、下は全く見えません。目的地まであと10マイルを切ったのにVORが反応しないのはきっとこのアドオンシナリーの設定が違っているのでしょう。そこでやむを得ず低高度で空港上空を通過し、VFRで下ろす決断をしました。高度3000で雲海に入ります。全く何も見えず、計器も反応せず。本当に命がけです。高度1000を切り、ようやく雲海が切れました。そこには!!

 何と下界は見渡すかぎり海です!!「なんだこりゃー!」 オートパイロットで高度を維持しながらshift-zで現在地を確認すると、N52.47.22, W056.06.08を飛んでいます。地図とマニュアルを取りだして調べるとシャーロットタウンはN46.17.18, W063.07.48と記載されています。でもGPSは間違いなく、CYYG到着を告げています。そう、GPSの初期設定の誤りだったんですね。あわや墜落するところでした。

 やむを得ず、再度フルスロットルにし再び雲海を抜けて上昇します。ここまで追い風でエンジンを絞り気味に飛んだのがラッキーでした。まだ燃料は半分以上残っています。もはやGPSはあてにならないので、地図上にあるNAVAIDを順にたどってのIFRとなりました。とにかく雲で地形が見えないので、地図とVOR,NDBとのにらめっこをしながら、フライトを続けます。

 そうして飛ぶこと2時間あまり。ようやくシャーロットタウンのVOR 113.80MHzを受信しました。先程降下した位置からすでに600マイル以上飛んでいます。すでに燃料は残り10%を切りました。これで、また雲の下が海だったら。。。。不安が頭をよぎります。ともかくあと60マイルの地点で降下を開始しました。

シャーロットタウンの町並みを見ながらのアプローチ

 相変わらず下界の雲海は低く垂れこめています。高度5000でもまだ下界は見えません。RWY 01のILSも今度は受信しました。(これが最後の落とし穴)そこでILSにしたがってさらに高度を下げ雲海に入ります。1500で雲の下にでました。ホッ。右手には陸地と建物が見えています。ところが正面を見ると滑走路が大きくずれています。おそらくILSはデフォルトの位置のままだったのでしょう。GAには燃料も寂しいし!懸命に右旋回しビジュアルでアプローチをかけます。大型ジェットでは間に合わなかったかもしれませんが、DASH 8は小回りが得意です。どうにかRWY 01に無事着陸しました。

やっとの思いのランディング

 現地時間の12時39分、スリルに満ちたフライトは終了しました。飛行時間は4時間39分、使用燃料は900ガロン。あと50ガロンしか残っていませんでした。ここで調べてみると、なんとゴットホープからは1139.9マイルもあるではないですか。結局、GPSが狂っていたこと、厚い雲で下が全く見えなかったこと、アドオンのシナリーはしばしばデフォルトとずれていることなどが、今回の敗因でした。とにかく、無事について良かったぁ。ゴッドホープがこの旅一番の難関と思ったけど、予想もしないところに落とし穴があったのでした。

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