1999年11月20日

アンカレッジ - ダッチハーバー

 さあ、いよいよ北太平洋に向かって飛び立ちます。とは言っても脚の短いダッシュ8ですから島伝いに飛んで行くしかありません。アンカレッジからの次の目的地はアラスカ半島の先端に浮かぶダッチハーバーとしました。ここは第二次大戦の時にアメリカ軍のハワイへ向けての中継点になった土地だそうです。ここの空港はウナラスカ空港という名前で、FSにもデフォルトで登録されています。

 デフォルトのウナラスカはぽつんと滑走路があるだけのいかにも寂しい場所ですが、前回インストールしたDean Salman氏のAlaska Scenery Ver9.0 (alaska90.zip) では、すぐそばに大きな火山なども置かれていて、なかなか雄大なシナリーに作り上げられています。この旅初めて新しい目的地に対して新規のシナリーを入れずにすみました。^^)

 アンカレッジからダッチハーバーまでは685.9マイルです。余裕の距離ですが、念のため燃料は満タンとします。また、バーチャルの世界ではアンカレッジ到着は昼の1223でしたが、おそらくダッチハーバーまでは3時間弱かかるでしょうし、燃料を入れるとアンカレッジ発が1330とするとこの11月末にアラスカでは間違いなく到着は夜になってしまうことでしょう。やむを得ず、まだ早いのですがアンカレッジで一泊していくことにしました。夜はとおるさんお勧めのバーでバーボンなどやりながら長いアンカレッジの夜を過ごしました。

 明けて翌日夜明けの遅いアンカレッジの朝0930、準備万端整った愛機ダッシュ8のコクピットに座ります。こんな時間なのにまだ何となく薄暗く、東の空はまだ朝焼けが残っています。

アンカレッジ出発の朝

 お天気は曇りですが、一部青空ものぞいています。エンジンをスタートさせると、ピーンと冷たく張り切ったアラスカの空に向けて愛機は軽やかに飛び立ちました。

アンカレッジ離陸直後

 さほど風はないようです。巡航高度FL180まで上昇すると、ウナラスカの方位210度に向けて、GPSのスイッチを入れました。しばらく下界にはアラスカの大地が見えていましたが、まもなく冷たく広がる海面が見えてきました。そう、ここはもうベーリング海の上空です。

ベーリング海上空を行く

 地図では左手にアラスカ半島が望めるはずですが、雲も多くほとんど海しか見えません。しかし上空はさすがに空気も澄みきっているのでしょう、真っ青な空が広がっています。北極に近いせいか多少揺れは多いのですが、のんびりと機体を揺れに任せてフライトを続けます。約3時間ほどでウナラスカのVOR113.90MHzを受信しました。

ウナラスカ島上空に到着

 ウナラスカ島については、こちらに在住のきょうこさんという方がダッチハーバー通信という素敵なホームページを提供されています。地図などずいぶん参考になりました。本物と比べてどんなものなのでしょう?ぜひ一度ご意見を伺ってみたいものです。高度を5000フィートまで下げたところで燃料計を見るとまだ少し余裕があるようです。このシナリーの作者のコメントでは「ウナラスカから西に飛ぶとMakushin火山があるので、腕に覚えがあるなら山並みをぬって飛ぶと面白いよ」とか書いてありましたので、西に見える山並みに向けて機首を向けてみました。

Makushin火山に向かう

 何やら急峻にそびえ立つ山肌が迫ってきました。確かにその中には深い渓谷が刻まれているようです。別に腕に覚えがあるわけでもないのですが、ちょっとチャレンジ精神をくすぐられてしまいました。高度は5000のままで正面に見える渓谷に向かって飛んでいきます。

火山に挟まれた渓谷を飛ぶ

 右も左もすぐそばに山肌が迫ります。こんなところで事故でも起こしたら元も子もないのに。ちょっと後悔しましたが、もう後には戻れません。(あ、上昇すればよかったのか。(笑)) とにかくしっかりと操縦桿を握って山肌を縫うように飛んでいくと、まもなく反対側の海岸線に抜けました。ホッと一息。

 左旋回でMakushin火山を左手に眺めながらぐるっと旋回して再びダッチハーバーへ向かいます。さすがにATISもなく、VORだけをたよりにアプローチします。まもなく右前方、原野の中に滑走路をインサイトしました。右旋回でファイナルアプローチに入ります。

RWY 12にランディング

 ILSもありませんので、完全なビジュアルでのアプローチです。きょうこさんのダッチハーバー通信で得た情報だとなんかすごく短い滑走路だとか。またかなり強い右からの風を受けてのアプローチですが、機首を右に振ったクラブでのアプローチで慎重にセンターラインに乗せます。この旅で習得した横風での着陸技術がここでも役に立ちました。無事着陸です。

ウナラスカ空港に到着

 到着時刻は現地時間の1254、飛行時間は3時間24分でした。使用燃料は678ガロンでした。アラスカの昼は短いので、今日はこのままダッチハーバーで宿を見つけることにします。ここは漁港だそうですから、おいしい魚介類でいっぱいやることにしましょう。明日に向けてゆっくり休息です。

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