1999年11月27日

ペトロパブロフスク - 女満別

 いよいよ4ヶ月ぶりの日本まであとわずかになりました。短い晩秋の日中を選んで飛ばなければならないため、昨日もちょっと寂しいペトロパブロフスクで一夜を明かしたかずちゃんは、いよいよ日本を目指してあと一息のフライトに入ります。次の目的地は北海道の女満別空港としました。北海道の空港ならだいたい大丈夫だったのですが、女満別は昭和60年頃赴任していたためもあり、月に1,2度は利用していた大変思い出深い空港です。久しぶりの日本なので、ぜひ懐かしい空港に降りたくなりました。

 女満別は高井英則さんが作られた女満別空港シナリーを使わせていただきました。この空港は細かいところまで本当に造りこまれている素晴らしいシナリーです。国内でも最もお勧めのシナリーの一つといえます。さらにここには私自身が作った女満別ダイナミックシナリー(未発表)を乗せることにしました。高井さんのオリジナルではJASのMD90がスタティックとしておかれていますが、これがダイナミックシナリーとして離着陸を繰り返すものです。私自身脂が乗っていたころの作品で、その動きが極めて滑らかな自信作です。

 カムチャッカの夜明けは遅かった。。。朝0930、ペトロパブロフスクの空港に行きました。ようやく明けゆく東の空を眺めながら、長らく離れていた祖国の地に想いをはせます。あとわずかで日本です。

日本に向けて離陸する

 お天気はまずまずです。愛機はエンジンの音も軽やかにペトロパブロフスクの地を飛び立ちました。女満別までの飛行距離は792.2マイル。ダッシュ8は余裕で届く距離です。北方4島もこの目で見たかったので、今日は低めの高度で有視界飛行で飛ぶことにしました。

カムチャッカ半島上空を行く

 機は雲海を下に眺めながらぐんぐん上昇、高度12000フィートで巡航することにしました。雲の合間に覗くカムチャッカ半島は原生林で覆われているようです。GPSを参考にしながら南下を続けます。

千島列島を左手に望む

 幸いにしてお天気も良く、左手に千島列島を眺めながら南下を続けます。この辺りの島々は本当にこんなふうに見えるのでしょうか。現実にはきっとなかなか実現しないであろうFSならではのフライトを楽しみます。

択捉(エトロフ)島上空

 まもなく前方に大きな島影が見えてきました。一つ目が得撫(ウルップ)島、そして次に見えてきたのはいよいよ北方4島の一つ択捉島です。択捉島は上の写真のように、低い山と原生林に覆われた島です。街並みはFSでは見当たらないようです。複雑な思いで、択捉島を眺めながら上空を飛びます。

国後(クナシリ)島上空を飛ぶ

 択捉島に別れを告げるとすぐに前方に見えてきた島、これが国後島です。面白いことに択捉島は結構山などで造りこまれているのに対し、国後島は島の形の平面に原生林のテキスチャが貼り付けられただけののぺっとした島です。ちょっと手を抜いてるな、という作りでした。もちろん街並みなども見当たらないようです。

知床半島に到着

 国後島を横切るようにやや右旋回をすると前方に張り出している半島が見えました。そう!そこはもう知床半島!ついに日本です。バーチャルのフライトなのに何となく目が潤むのはなぜでしょう。

網走市上空

 この辺りは1年以上住んでいましたので、休日などに何回もドライブした土地です。あの辺は羅臼、あの辺は宇登呂、そしてあそこは斜里岳、、などと思いながらオホーツク海に沿ってフライトを続けます。まもなく前方に小さな市街地が見えてきました。あれはもう網走の市街地です。15年近く前の風景が鮮明によみがえってきます。オホーツクの空はあくまで青く澄んでいます。

女満別へのファイナルアプローチ

 能取湖の上空をゆっくり左旋回しながら女満別へファイナルアプローチをかけます。この空港はバーチャルでも数えきれないぐらい降りている勝手知ったる空港です。ILSを参考にしながらゆっくりビジュアルでアプローチします。

いよいよ日本の地に着陸

 11月27日午後12時45分、ついに愛機は3ヶ月半ぶりに祖国の地を踏みました。もちろん世界一周貫徹のためにはまだ日本列島縦断が残っていますが、何はともあれここは日本です。西へ西へと飛び続けること3ヶ月半、ついに何とか無事に日本に帰ってきたわけです。

女満別にスポットイン

 愛機は女満別の滑走路を半分で減速し、そのまま誘導路に入りました。1248、マーシャラーの誘導で無事スポットインしました。

愛機の脇を出発するJASのMD-90

愛機がエンジンを止めるとまもなく左手に止まっていたJASの黒沢ペイントMD90がゆっくりプッシュバックされていきました。この機はこれから東京へ向かうのでしょう。世界一周の旅、最後のルートは東京羽田経由で那覇へ向かうつもりです。もちろんジェットより遥かに時間はかかるでしょうが、あとはのんびりとフライトすることにしましょう。今夜は住み慣れた北見のなじみの酒場に向かうことにします。あと2フライトの無事を祈って乾杯です。今日の飛行時間は3時間18分、使用燃料は674ガロンでした。

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