旅客機の様々な カラー・スキーム は、航空会社の工夫が見られてとても魅力的です。
国や地域を主張したデザインがあるかと思えば、人物や動物を題材にしたデザインも見受けられます。また、最近では自社のキャンペーンや広告をまとったものも多数見受けられます。
従来は全面的に塗料を使用していましたが、技術の進歩によりベースを塗装で済ませた後にフィルムを使用するケースもあります。これは写真をモチーフにした複雑なデザインや短期的なキャンペーンの告知などに有効な手段です。
みなさんはどのような カラー・スキーム がお気に入りですか?
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![]() Red |
![]() Orange |
![]() Orange |
![]() Yellow |
![]() Yellow |
![]() YellowGreen |
![]() YellowGreen |
![]() Green |
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![]() BlueGreen |
![]() BlueGreen |
![]() Cyan |
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![]() Sky |
![]() Sky |
![]() Blue |
![]() Blue |
![]() Purple |
![]() Purple |
![]() Magenta |
![]() Magenta |
![]() DeepPink |
![]() DeepPink |
![]() Gray |
![]() Gray |
![]() Silver |
![]() Silver |
「赤」は情熱の赤であり、空の青との対比から考えてもインパクトを与えるカラーです。その反面、刺激の強い色彩から機体全面に塗られることは少なく、白を主体として部分的に使われることが多いように思えます。
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カンタス : オーストラリアの航空会社にカンガルーのモチーフと全く説明が不要な組み合わせです。白をベースとした塗装で尾翼に赤地に白のカンガルーをシルエットで配しています。ゲートに並ぶカンガルーの群れは楽しいものです。 | ノース・ウェスト : 落ち着いたダーク・グレーと赤のNWもパールがかった明るい灰色を基調とした新塗装になりました。尾翼にはこれまで同様NWをモチーフにしたマークが明るめの赤で入っています。個人的には旧塗装の方が好みです。 |
「オレンジ」は太陽をイメージする色であり、元気さを象徴する色です。一方「イエロー」は、多くの国でタクシーの色として採用されているように目立つカラーのひとつです。どちらもの色も空港の中で華やかに活躍しているのが一目瞭然です。
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イージー・ジェット : 低価格運賃で急成長を遂げたイージー・ジェットは、その機体に大きな「easy jet.com」とタイトルを書き、認知度の向上と共にネットでのチケット販売での経費節減に努めています。 | DHL : 航空貨物というとどうしても裏方というイメージが付きまといますが、文字のアレンジはそのままにベースカラーを白から黄色に変更したことから空港の中でもひときわ目立つ存在となりました。 |
「グリーン」は、木々の緑を連想させるように癒しを与える色となっています。明るい緑または黄緑は若々しさ、暗い緑は落ち着きを与えます。また、そのイメージは航空機の運用に重要な安全を訴える色でもあります。
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アリタリア : イタリアのナショナル・フラッグ・キャリアです。この塗装が出てきてかなりの年月が過ぎましたが、決して古さを感じさせません。白地に「Alitalia」の「A」を緑でデザインした大胆さと三角の赤が効いています。 | エア・リンガス : アイルランドのエア・リンガスは、グリーンを基調とした塗装に同系色のクローバーを尾翼に配したデザインとなっています。写真で見ると鮮やか過ぎるこの色合をディスプレイの世界では表現できないのでしょうか? |
「シアン」(水色=空色)は、空そのものです。空を飛ぶ旅客機に相応しい色であると同時に目立たない色となってしまう危険性をはらんでいます。胴体上面いっぱいに薄い水色を配した大韓航空と、ラインを配したエア・ドゥは好対照です。
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大韓航空 : 明るい水色を胴体上面に使用しているためとても軽やかな印象があります。 これは、水色を効果的に使っている珍しい例でしょう。 |
エア・ドゥ : 北海道の地域に根ざした低運賃の航空会社であるエア・ドゥは、白をベースに北の空と大地をイメージした水色と黄色の塗り分けが爽やかな印象です。 |
「ブルー」は、空または海をイメージする色です。濃い目のブルーは引き締まった印象を与えます。また、「パープル」は高貴な色として使われる場合が多いのですが、好みの分かれる色でもあります。
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BMIブリティッシュ・ミッドランド : 一見すると単なる青と白のツートンカラーかと思われますが、その尾翼には英国旗が透かしのように入っていて、イギリス人の自国に対する誇りを見せつけれれる思いです。 | フェデックス : 世界各地で物流を受け持つ巨大企業のフェデックスは、自社のイメージを「FedEx」と大きく書かれたロゴと共に顧客の元に届けています。これはまさに空を飛ぶ広告塔と呼べるものです。 |
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ハワイアン : ハワイ諸島を中心に運用する機体には、リゾート感覚溢れるデザインが似合っています。ハイビスカスの花を髪に差した女性の横顔とトロピカルな雰囲気の色合いが特徴です。 | ヘルベチック : 新興空空会社などでは塗装をシンプルにする傾向がありますが、スイスの新興航空会社ヘルベチックはド派手なピンクで自己主張しています。 |
「グレー」は、白ベースの変わりに使われる場合が多く明るさの違いによって印象が異なります。また、「シルバー」塗装として使われるのではなく金属本来の地を出したものです。
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ラウダエア : フェラーリF1のドライバーだった「ニキ・ラウダ」が創設した航空会社の機体です。実物を見たことがないので写真のイメージなのですが、濃淡グレーの微妙な色合いと彩度を抑えた赤にセンスの良さを感じます。 | アメリカン : アメリカンの銀色は金属素材の色そのものです。むき出しの金属はそのままでは腐食などの問題があるので表面加工を施しています。「ベア・メタル」と呼ばれるこの色(?)は天候や時間などで様々な表情を見せます。 |
カラー・スキーム を分類してみましたが、分類を決めること自体が難しいことを改めて感じました。
今回は、ゲーム性を兼ねて次の観点から分類しました。
<色>
レッド・オレンジ・イエロー・グリーン・シアン・ブルー
<使用場所または色調>
ワンポイント・ビビッド・シック
<操作方法>
(1) 1組の画像を続けてクリックすると画像が交換されます。
(2) 色の組み合わせが揃うとゲーム終了です。
ワンポイント | ビビッド | シック | |
レッド | ![]() |
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オレンジ | ![]() |
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イエロー | ![]() |
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民間機のセールスは、当たり前のことですがスーパーに並べたりする訳にはいきません。
メーカはー、自社の飛行機を売るために売り込み先の国でデモンストレーションのフライトを行うことがあります。
このようなデモで使われる機体は、試作機や量産先行機が使用され ハウスカラー と呼ばれるメーカー独自の塗装が施されます。
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エアバス社は、尾翼にレインボーカラーとも言うべき深みのある青を主体としたグラデーションを使用しています。
機首と尾翼に書かれる文字は機番を表しますが、枝番を含めて若干のアレンジが行われます。また、スローガンが書かれる場合もあります。
2005 年初頭にロールアウトした A380 においては、これまでのレインボーカラーを変更して新しいハウスカラーを採用しました。
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ボーイング社は、青と赤のラインを活かした塗装をしばらく続けていましたが、次第に流れるようなアレンジをしたデザインを取り入れ、最新の 7E7 では美しいグラデーションを交え魅力のある塗装となりました。
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リージョナルジェットで活気のあるエムブラエル社の最新シリーズでは社名や機名が控えめです。
ダグラス>マクダネル・ダグラス>ボーイングと合併を繰り返してきた「マクダネル・ダグラス」ブランドの事実上の最終製品では誇らしげに機名がかかれました。
カラー・スキーム は、
(1) CI(コーポレートアイデンティティ)の導入・変更に伴うもの
(2) 会社の合併・吸収・分割などによるもの
などの様々な理由で変更されることがあります。
コストの低減という目的と他の航空会社との差別化という相反する命題を抱えていますが最近の傾向としては、
(1) 色数の単純化とワンポイント
(2) 社名ロゴの強調やネットへの対応
旧ソ連時代の国営会社「アエロフロート」も、体制の変化により時代にあった形態に脱皮しつつあります。
新しいカラースキームは、明るいグレーとブルーを主体として赤と白のラインで引き締めています。従来からのイメージをすっかり払拭しました。
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BMIの旧塗装は、濃い目のブルー・グレーを水平に分割するというものでした。
カラースキーム変更後は明るめの青と白という組み合わせになり、その分割線もウェーブを描いたものとなりました。
また、エンジンポッドと翼端にワンポイントの赤をいれると同時に胴体中央のロゴを大きめにして浮き上がるような色調としました。
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JALは、JALとJASの経営統合に伴い新しいカラースキームに変更中です。この欄では新旧JALを比較しています。
新しいカラースキームは、暖かい白をベースとして尾翼に太陽をモチーフとした赤を入れています。胴体の前のロゴはデザインの変更されたものが使用されています。
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パッと見の印象は変りませんが、胴体のダークブルーのラインがピンストライプになったことと胴体の社名ロゴが大きくなったためさっぱりとした印象を与えます。
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ノース・ウェストは、濃い赤とダークグレーの組み合わせから一転してライトグレー(パール調)ベースになりました。
尾翼にあったNWを模したマークは、尾翼と胴体前部にを色違いで表示するというオシャレな表現をとっています。また胴体にはネットでの表現に合わせて「nwa」と小文字で書かれています。
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グレーとブルーを主体とした落ち着いた色調のユナイテッドも、上半分をホワイトとして明るい印象になりました。その境界線はホワイトからブルーに段階的に変わるラインを入れてグラデーションとしています。
尾翼にあった U のマークを大きくし、胴体にあったラインと共に赤を抜きデザインが整理されています。
この新しいカラー・スキームは、初期のユナイテッドを思い出させる部分もあります。
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時代の趨勢に合わせて新しいイメージを求める会社がある一方で、伝統の カラー・スキーム を守る会社もあります。これは良し悪しの問題ではなく、その会社のポリシーといえます。
ここでは、メジャーで比較的長くカラースキームの変更を行っていない航空会社を選んでみました。
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アメリカン航空 のカラースキームは、機体の金属地肌を活かしたベアメタルと呼ばれる銀色です。 しかし、近年はメーカーが複合材を多用する傾向にあるため、銀色の地肌とならない場合があります。このため自社のイメージを崩さないために複合材部分をグレーで塗装しています。 胴体部分には星条旗のカラーでもある青・白・赤のラインを入れています。 |
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全面を白とした エールフランス のカラースキームは、シンプルさと同時に清潔感を醸し出しています。 胴体上半分を白・下半分はグレーとして水平方向にラインを入れるという塗装が多かった当時にあっては目立つ存在でした。 また、尾翼に書かれたラインもフランス国旗を意識しつつスピード感があるものとなりました。フランスらしいオシャレなデザインといえましょう。 |
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イタリアの アリタリア航空 は、デザインのアレンジという点でレベルの高さを感じさせます。 基本的にはイタリア国旗の緑・白・赤を使っていますが、緑のラインを胴体水平方向に走らせる伝統的なラインを尾翼に結びつけました。 しかもこの尾翼のデザインをアリタリアの「A」を模して三角で赤のワンポイントを入れたところが憎い演出です。 |
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ルフトハンザ のカラースキームは、まさに「シンプル・イズ・ベスト」のお手本ともいえるものです。 胴体上部の白に「Lufthansa」の文字、尾翼のみダークブルーを入れています。 その尾翼には黄色ベースの会社のロゴマークが入ります。 上記3社とは違ってドイツのフラグキャリアでありながら特に強調していない面も見受けられます。 |
フラッグ・キャリア は、通常その国を代表する航空会社という意味合いで使われています。
ここでは、国の旗(フラッグ)=国旗のイメージと航空会社のイメージが近いものを選んでリストアップしてみました。
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