FOR FLIGHT SIMULATOR USE ONLY. NOT FOR USE IN REAL AVIATION. Level-D Simulations 767-300...........Page 38
ENGINES and ENGINE INDICATING (EICAS)

<<TOPページ <Level-D 767 メニュー <マニュアル目次 <前のページ >次のページへ


エンジンとエンジンの状態表示器(EICAS)


767-300は、1基あたり61,550ポンドの推力を持つGeneral Electric CF6-80C2を2基搭載しています。
エンジンのコントロールには、スロットル、燃料カットオフスイッチ、EECスイッチ、消火ハンドル、スラスト定格パネルがあります。
オートスロットルシステムはすべてのフライトのすべての局面で利用可能で、必要なパワーを自動的に制御することができます。
FMCはエンジン作動に関する情報を含み、定格外離陸、VNAV上昇、巡航飛行、降下に対するエンジンパワーをオートスロットルおよびTRPとともにコントロールします。


エンジンコントロール

エンジンパワーの基本的なコントロールは、中央ペデスタルに配置されたスロットルにより行います。(ペデスタル画面はメインパネルのPDSTボタンを押して呼び出します)
スロットルはパイロットがマニュアルで操作することもできるし、オートスロットルによって自動的に操作することもできます。
オートスロットル使用中でも、パイロットはスロットルを手動で操作することによりオートスロットルを無効にすることができます。
しかし、オートスロットルにより以前指定されたパワー設定はオートスロットルをリリースすればいつでももとにもどります。
このケースには一つ例外があります。それは、スロットルホールドモードです。
EADIに“THR HLD”の表示が出た場合、オートスロットルがパワーレバーから一時的に切り離されていることを示しています。
このとき、パイロットはパワー設定に関係なく完全なコントロールが可能となります。
オートスロットルの使用と操作については、AFDSの項でさらに詳しく説明します。


エンジン電子コントロール(EEC)

頭上パネルにあるEECスイッチは、エンジン電子制御システムをコントロールします。
EECはエンジンの損傷を防ぐためにエンジンパワーの限界を超えないように作動します。
システムがONのとき、スロットルを限界まで押すとエンジンに損傷を生じない最大出力 が発生します。
このパワー設定はエンジンディスプレイに黄色のラインで表示されます。
EECを切ると、パワー設定はこの限界を超えて設定できますが、エンジンが損傷する可能性があります。


エンジン計器の表示とクルー警告システム(EICAS)

メインパネルの中央にある2つのCRTは、EICASスクリーンとして参照されます。
これらのスクリーンディスプレイはすべてのエンジンに関するデータとクルー警告システム(CAS)からのメッセージを表示します。
上部のEICAS CRTは、エンジンデータN1とEGT(排気ガス温度)の脇に、CASメッセージをを表示します。
このスクリーンは左メインACバスに電力が供給されているときに表示され続けます。
下側のEICASスクリーンは、他のシステムに関する情報(別のSTATUSページに入っているシステム情報)だけでなく2番目のエンジンデータを表示します。
下側のスクリーンは、右メインACバスに電力が供給されているとき、表示し続けます。
両方のスクリーンとも、EICASスクリーンの下にあるノブを使って別々に画面の輝度を調整できます。

STATUSページは、下部EICASスクリーンの下にあるSTATUSボタンを押すと有効になります。
2番目のエンジンデータの表示に切り替えるには、STATUSボタンの隣にあるENFGINEボタンを押します。
このように、下部EICASスクリーンは、ENFGINEまたはSTATUスクリーンが表示されているときに、隠れている画面のボタンを再選択することでトグルで切り替えることができます。

EICASのエンジン表示は、警告レベルや制限超過の状態に応じて表示の色が変わります。
黄色は警告レベルで、赤は制限レベルを示します。
この色彩変化の方式は、両方のEICASスクリーンとも同じです。
さらに、下側のEICASのN2ゲージにはマゼンダ色のインデックスラインが表示されます。
このインデックスラインは、燃料コントロールスイッチをRUNにするときの最小N2を表します。
N2がこのインデックスラインを超える前に燃料コントロールスイッチをRUNにするのはトラブルのもとと言えます。


予備エンジンディスプレイ

もし両方のEICASスクリーンが故障しても、重要なエンジンデータは予備エンジンゲージで参照できます。
このゲージはEICASスクリーンの左側にあって、両方のエンジンのN1,EGT,N2データを表示します。
AUTOとRUNの2つのポジションを持つスイッチでこの表示をコントロールします。
AUTOポジションにすると、EICASスクリーンが有効に機能しているときはブランクになっていますが、
両方のスクリーンに不具合が生じたときは、このゲージに自動的にデータが表示されます。
ONポジションにするとエンジンデータが常に表示されます。


エンジン燃料コントロール

スロットルクァドラントにある燃料コントロールスイッチは、それぞれのエンジンについている2つのバルブ(エンジンバルブとスパーバルブ)をコントロールします。
エンジンバルブは、ナセル(エンジンカバー内)にあります。
スパーバルブは、燃料タンク近くの主翼(多分リブ:sparの近く?)の中にあります。
それぞれのエンジンに燃料を送るためには、この2つのバルブを「開」としなければなりません。


エンジンスタートパネル

頭上にあるスタートパネルは、エンジンのスタート、停止をコントロールします。
それぞれのエンジンには、スタートバルブと2つの点火装置があります。
スタートスイッチはそれぞれエンジンのスタートバルブの開閉をコントロールします。
点火スイッチは2つの点火装置のうち、どちらの装置を使用するかを選択するのに使います。

スタートスイッチには、GND, AUTO, OFF, FLT,CONTの4つのポジションがあります。
通常このスイッチはAUTOポジションのままとなっています。
スタートスイッチをGNDにすると、スタートバルブが開き点火装置にパワーが送られ、スタートが開始します。
スイッチはバネ仕掛けになっていて、エンジンスタートの後には自動的にAUTOに戻ります。
手動でOFF位置にすることにより点火装置が切れ、スタートバルブが閉まります。
FLT位置は、両方の点火装置を使ってエンジンを起動させます(点火スイッチがどちらの点火装置を使うように指定してあるかには関係ありません)。このモードは普通、フライト中にエンジンを再起動するのに使います。
CONT位置は、選択したほうの点火装置からのみエンジン点火を(連続して?)行います。通常、このモードは乱急流や豪雨中に使用されます。

点火装置指示スイッチにある2つの表示はそれぞれのエンジンのどちらをエンジンスタート時とCONTモードに使用するかを指定します。
1の方に指定すると、NO.1の点火装置を使います。
2の方に指定すると、NO.2の点火装置を使います。
BOTHを指定すると、それぞれのエンジンに対して両方の点火装置を使います。


エンジンスタート

エンジンをスタートさせるには、ブリードエア、電力、燃料が必要です。
ブリードエアはAPUまたは外部エアソースから供給可能です。
エンジンスタートに必要な航空機の電力は必要最小限のものです。
それぞれのエンジンには電動燃料ポンプからの圧力により燃料が送られます。

エンジンスタートに必要な圧力を供給するために、エアコンディションPackをOFF、遮断バルブを開としなければなりません。
このとき圧力は最低25psi(120Pa)必要です。
エンジンスタートスイッチをGND位置にするとエンジンスタートが始まります。
この操作でスタートバルブが開き、ブリードエアが送られてエンジンが回転します。
一瞬、VAVEライトが点灯しますが、このときがスタートバルブが開となったときです。
N2ゲージのマゼンダ色のインデックスラインは燃料供給を開始する最小のN”を示しています。
N2がこのインデックスラインを超えると、燃料をエンジンに送り込むために燃料コントロールスイッチをRUN位置にすることができます。
間もなくEGTの上昇により、ライトオフの状態が生じます。
N2が約50%になるとスタートスイッチはAUTO位置にもどり、バルブが閉まってバルブライトが一瞬点滅します。
ここで、エンジンはアイドル状態で安定します。


スラスト(推力)の管理 (TRP)

スラストマネジメントコンピュータ(TMC)は、フライトの各局面において必要となるパワー設定を行います。
このコンピュータを操作するには主として、ギアハンドルの上にあるスラストレーティングパネル(TRP)を使います。
このシステムからのパワー設定情報は、緑色のインデックスとデジタル表示により上側のEICASに表示されます。
設定された表示は参照されるだけであり、またパイロットが利用できるエンジンパワーを制限することはありません。
設定できる最大パワーは常にN1ゲージに黄色で表示されたEEC制限によります。
オートスロットルを使用中にTRPパワーが示す参照値はエンゲージモードにおけるオートスロットルが利用可能な最大パワーとなっています。

TRPには次のようなモードがあります。 : TO, D-TO, CLB, CLB1, CLB2, CRZ, CON, GA
どのモードもTRPボタンにより選択できます。(D-TOだけは例外でFMCにより選択されます。
TOとD-TOモードは離陸モードのパワーです。
CLB, CLB1 と CLB2は、上昇モードのパワーです。CRZは巡航パワーモードです。
CONは、連続パワーモードです。
GAは、ゴーアランウドパワーモードです。

テイクオフパワーモードにはテイクオフパワー(TO)モードとデ・レイテイドテイクオフパワーモード(D-TO)があります。
TOモードでは、コンピュータは当該時点の外気温による最大離陸パワーを計算します。
D-TOモードでは、低減したスラスト設定を計算するために当該時点の空港気温よりも高い気温(仮想気温という)が使われます。
この気温はFMCのTakeoff Reference Pageに入力されます。このページはEICAS上に表示されるパワー設定表示に用いられます。
仮想気温は第一に当該滑走路における航空機の離陸重量に基づいて計算されます。
仮想気温が高いと低いパワーが設定され、仮想気温が低いと高いパワーが設定されます。
TRP上のTOを押せば、D-TOモードはキャンセルされます。

上昇パワーモードには全上昇パワーモード(CLB)、de-ratedパワーモード1(CLB1)、とde-ratedパワーモード2(CLB2)の3つがあります。
CLBモードを必要としない場合には、CLB1とCLB2モードにより低減したパワー設定が可能となります。
CLB2は飛行機が離陸後安全に上昇し、すべての障害クリアランス必要条件に対処するのに必要な最低の上昇パワーとなります。

低減上昇パワーモードは、TRPボタンにより地上で事前に選択できます。
TRP上の1または2を押すとEICAS上の緑色のTOの隣に白の1または2が表示されます。
これは、離陸後de-rated CLBモードがエンゲージされることを示しています。
この状態はFDSの鉛直モード(FL CH, VNAV, またはV/S)を選ぶと自動的に生じます。
またこのとき、EICAS上にはCLB1かCLB2が緑色で表示されます。
もし、事前に上昇モードが選択されていない場合は、TRPは全上昇パワー(CLB)を指定します。

エンゲージした上昇モード間の切替は、TRPボタンにより行います。
全上昇モード(CLB)で上昇中は、1または2を押すことにより、それぞれCLB1、CLB2モードがエンゲージされます。
これに続くde-rated climbモード間の切替は、TRP上の他のモードボタンを押すことによって行います。
しかしながら、de-rated climbモードのキャンセルは、現在エンゲージされているde-rated climbモードに対応したボタンを選択することにより行われます。
この場合、CLBボタンを押してもエンゲージしたモードにはなにも影響を与えません。
たとえば、CLB1が現在エンゲージされている場合、TRPの1ボタンを押すとCLBモードに切り替えられます。
もし、CLB2が現在エンゲージされているとすると、2ボタンを押すとCLBモードに切り替わります。

巡航(CRZ)モード中は、TRPはその高度と気温条件下で設定できる最大巡航パワーを提示します。
航空機が事前にFMCにプログラムしておいた巡航高度に達して水平飛行に移ると巡航(CRZ)モードが自動的にエンゲージされます。
そのほかTRPパネルのCRZボタンを押して手動でこのモードをエンゲージすることもできます。
オートパイロットを使用中であれば、たとえ速度を保持するのにより小さいパワーで十分であったとしてもも、巡航中のオートスロットルにより使用可能な最大パワーとなります。

TRPモードのうち、残りのモードは Continuous (CON) と Go-around (GA) パワーです。
CONキーを押すと当該時点での高度と気温で可能な限りの最大連続パワーとなります。
一般にこのモードは片肺エンジンで飛行中か氷結状態のときのモードです。
GAモードは着陸アプローチ中、フラップ1が選択されたときに自動的にエンゲージされます。
TO/GAボタンを飛行中に押すと手動でGAモードを選択します。
GAモードは、ゴーアラウンド中に使用する最大ゴーアラウンドパワーを設定します。


エンジンスタートコントロール


1- Engine Start Switches:
エンジンスタートスイッチ : エンジンスタートバルブと点火装置をコントロールします。

2- Ignition Selector:
点火装置セレクタ : エンジンスタートおよびCONTモード時の点火装置用ソースを選択します。
普通、フライトナンバーが奇数の時は1を用い、偶数の時は2を用います。
BOTH位置は異常事態時のエンジンスタートか寒冷気候でのオペレーション時に使用します。

3- Start Valve Light:
スタートバルブライト : ここが点灯したときは、スタートバルブが指定の位置にないことを示します。
スタートバルブはエンジンスタート作動過程で点灯します。


エンジン燃料のコントロール



エンジンの電子コントロールスイッチ (EEC)



EICASディスプレイ(上部)


N1データ表示の詳細

1- TAT Temperature Display:
温度表示 : 現在の機外温度を摂氏で表示します。

2- Assumed Temperature (De-rated Power):
仮想温度(De-rated Powerモード) : FMCのTakeoff Reference Pageに入力された仮想温度を表示します。推力の低減計算はこの温度に基づいて行われます。

3- Thrust Reference Mode:
スラストが参照しているモード : TRPによって選択されている現在のスラストモードを表示します。
ここに表示される白色の1か2の文字は、事前に選択されているde-rated climb modeを表します。

4- N1 Thrust Reference (digital):
N1スラスト基準値(ディジタル表示) : TRPが設定したスラスト基準値を表示します。

5- N1 Digital Display:
N1デジタル表示 : 現時点でのN1パワーを表示しています。

6- N1 Pointer Display:
N1表示指針 : 現時点のN1パワーの状態を円形目盛り上に表示します。

7- Command Thrust Display:
指定スラスト表示 : N1目盛の外周に展開される円弧は、コマンドセクタといいます。
コマンドセクタはパワーレバー位置で指定したN1と当該時点のエンジンのN1との差を示しています。

8- N1 Thrust Reference Pointer:
N1スラスト基準値 : TRPによって設定されたスラスト基準値を表示します。
このスラスト基準値はN1のデジタルで表示されているスラスト基準値と同じ値になります。

9- N1 Limit Pointer:
N1限度指針 : それぞれのエンジンに対するN1の限界を示します。
この限界値は、EECにより決定されます。EECはパワーレバーの位置にかかわらず、この限界値にパワーを制限します。
EECがOFFのときは、この線は消え、エンジンスラストは制限されません。


ECAS ディスプレイ 下側




エンジンデータ予備表示


エンジン定格パネルコントロール (TRP)


動力関係標準操作手順


PREFLIGHT 飛行前

EECスイッチ−ON
点火装置セレクタ−1、BOTHまたは2(1=奇数日、2=偶数日、BOTH=寒冷気候スタート時、とします)
スタートセレクタ−AUTO
燃料カットオフスイッチ−OFF
TRP−TO及びderate climbを行う場合は、1または2
予備エンジン表示−AUTO



STARTING エンジンスタート時

パックスイッチ−OFF
空気圧−最低25PSIを確認
スタートセレクタ−GND
燃料カットオフスイッチ−N2が18%を超えたらRUN
  N2が50%になったら
スタートセレクタ−2番目のエンジンがスタートしてからAUTOになっていることを確認

パックスイッチ−AUTO



IN FLIGHT 飛行中

必要に応じてスラストレバーを操作



POSTFLIGHT 飛行終了後

航空機のシャットダウン
燃料カットオフスイッチ-OFF




<<TOPページ <Level-D 767 メニュー <マニュアル目次 <前のページ >次のページへ