●JAL・B747Full Flight Simulator操縦会風景・1


98年11月8日(日)に羽田のJAL乗員訓練センターにおいて、B747のフル・フライト・シュミレータ(以後:FFS)の体験操縦会が開催されました。これは、現役のフライトエンジニア及び、そのOBからなる集まりである「日本航空機関士会」が主催したシミュレータ体験搭乗会で、普段職場を知る事の無い、家族や知人に、職場紹介を兼ねた親睦行事として今回開催されました。その緊張あるシュミレータ搭乗記です。
流行る気持ちを抑えつつ控え室から案内役の方と共にエレベーターで訓練センター1階に下りる。センター入り口にある今回の受付の方々と軽く挨拶を交わしたその直ぐ先にシュミレーター室はあった。重い鉄の扉を開けた途端、実にフロアー3階分はぶち抜けているであろう高い天井に首を上げる。と同時にエアコンプレッサーのシュウシュウと言う雑音に混じり、何本ものアクチュエーターに支えられているFFS群が視界に飛び込んで来た。もうディズニーランドに来た3歳時と同じに心ははしゃぎ出す。良い年して困ったものだが、どうにも抑えきれなくなっている。しかもモノホンの訓練として既にFFSが稼働しているのが見える。本職のパイロットが厳しい訓練中の最中のFFSは、彼らの操縦に従い細かい動きを見せている。キーン・・・と薄くエンジン音が漏れ聞こえる。実機のエンジン音そのものだ。これが実に良い音をしているのである。
我々のシュミレーター搭乗時間は12:40。その前に、同じ棟にあった他のシュミレーターを見せて頂いた。

1.B747−400・FBS

モーション無しのシュミレーターで、主に各種計器操作を主体に訓練される。モデルはお馴染みB747ダッシュ400。

・教官席にあるシュミレーター設定パネル。ここから厳しい注文が訓練生に課せられる。

・仲間が嬉しそうにND・PFDを前に座って見せる。ここに座っただけではどっから見ても本物にしか見えない。

・一度は触りたかったフラップレバー。カチカチっと操作感が気持ち良い。

2.B747−300・FFS

これがプロが行っている訓練稼働中のFFS。いわゆる”飛んでいる状態”である。モデルは在来型の300のシュミレーター。
近くまで近寄ってみる。内部からエンジン音が漏れ聞こえて来るのが非常に印象深い。それを耳にしただけでも興奮して来る。

3.B747−200・FFS

いよいよ私が搭乗するシュミレーター2号機がこれ。社内では最も古いタイプで、床から持ち上げるアクチュエーター方式ではなく、上からつり下がるクレーンタイプのもの。因みにレジはJA8114だからB747−246Bとなる。シュミレーターでも運輸省から実際にレジが付与されることで、パイロットに対してはシュミレーターフライト時間も正規の飛行時間に記録出来る。それだけ実機と違わないと言う証明でもある。
さあ、いよいよ夢のFFS体験の時間がやって来た。

・FFSの中では最も古いが、”飛ばして”みるとやはり凄い代物。


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