★オーバーヘッドパネル操作 E
この「E」だけは下から上へ(機体の前方から後方へ)向かってチェック、操作を行います。




●ニューマティック・システム
ジェット・エンジンの圧縮機から抽出された高温高圧の空気(bleed air=抽気)の温度・圧力を一定に調整し、機体各部の防除氷装置、エンジン始動装置、逆推力装置、室内空気調整与圧装置、油圧ポンプの駆動装置(air driven hydraulic pump)などの熱源や圧力源、動力源として使用しています。航空機のエンジンがレシプロからジェットに変わったことにより、高温、高圧の圧縮空気が容易に取り出せるようになったので、それまで油圧や電気を利用していた一部のシステムの熱源、動力源として利用できるようになり、重量の軽減と、装置の簡素化を可能にしています。




50)APU・ブリード・エア・スイッチ・・・・・ON
APU・ブリード・エア・スイッチをオンにします。

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51)エンジン・ブリード・エア・スイッチイズ・・・・・ON
左右のエンジン・ブリード・エア・スイッチをONにします。OFFランプが点灯していますが、エンジンが作動するとエンジン・ブリード・エア・バルブは自動的にオープンします。




52)アイソレーション・バルブ・スイッチ・・・・・ON
アイソレーション・バルブとは左右2系統のブリード・エア・システムをアイソレート (分離) するためのバルブです。
左、右、中央の3つのアイソレーション・バルブスイッチを押します。
APUからのブリード・エアが供給され、DUCT PRESSメーターが上昇します





●空調システム
2 つの空調パックは温度調整された空気をキャビンや与圧システムへ供給します。空調パックはそれぞれのニューマティックシステムからのブリードエアを使って動作します。パックの制御は OFF、AUTO、N、C、そして W のポジションをもつ回転セレクタスイッチにより行われます。通常ニューマティックシステムにおいて空気が利用可能であるとき、パックは AUTO モードで実行されます。パックはエンジン始動時あるいは空調が地上で必要ないときに OFF にします。

パックセレクタを AUTO に設定すると、ブリードエアが利用可能で空気放出口温度の自動温度制御のために供給する時、パック弁は開きます。パックが OFF に切替られる、あるいはブリードエアが利用可能でない場合、PACK OFF ライトが点灯します。パックは客室温度コントローラにより設定される最も涼しい区画の要求を満たす気温を作り出すよう制御します。トリムエアシステムは他の区画の要求する気温に調整する必要がある場合、暖かい空気を供給します。

パックセレクタを N、C あるいは W に設定すると、一定の放出口温度を作りだすためパック弁が開きます。それらのモードは通常は AUTO モードが故障した場合に使用されます。モード N は一定の適切な温度までパック放出口温度を調整します (おおよそ華氏 75 度(摂氏 24 度))。モード C は最も涼しくなるようパックをセットします (おおよそ華氏 65 度(摂氏 18 度))。モード W は最も暖かくなるようパックをセットします (おおよそ華氏 85 度(摂氏 29 度))。




53)パック・コントロール・セレクター・・・・・AUTO
@レフト・パックおよび右Aライト・パックをAUTO・ポジションにします。それぞれの上に付いている PACK OFF ランプが消灯することを確認します。



★エアコンディショニングシステムのワン・パックについて
左右2個のエア・コンディショニング・パックスイッチのうち、左のパックをオートに、右のパックをOFFにすることを 「ワン・パック」 といいます。
キャビンの空調を行うため、APUまたはエンジンのブリード・エアーを駆動源とするACM (エア・サイクル・マシン) の系統をパックと呼びます。左右にひとつづつあります。地上において機体の右側で各種のハンドリングやグラウンド・サービスを実施している地上作業員にACMからの熱風が吹き付けられ、作業の妨げになるようなことを防止するためにレフト・パックをオート・ポジションで作動させ、ライト・パックをオフにするワン・パック・オペレーションを標準としています。
現在、ラインではワンパック・オペレーションは行っていません。


54)トリム・エアー・スイッチ・・・・・ON
トリムエアスイッチ@をONにします。
トリムエアスイッチはパックからの気流温度を客室温度コントロールノブにより自動的に調整されるよう制御します。もしトリムエアスイッチが OFF の場合、客室の空気はパックセレクタ設定だけに基づいて調整されます。客室は もし TRIM AIR スイッチが OFF でパックセレクタが AUTO である場合、華氏 75 度に調整されます。トリムエアスイッチは通常 ON の位置にしておきます。
客室に届く空気の温度は客室温度コントローラにより華氏 65 度 --- 85 度以内に調整されます。トリムエアスイッチが OFF のときは客室温度コントローラでは制御できません。




55)リサーク・ファン・スイッチ・・・・・AUTO
リサーキュレーション (再循環) ・ファン・システムはエア・コンディショニング・パックへの負荷を軽減し、またエンジン・ブリード・エアの必要供給量も減少させる機能があります。
空調システムの再循環ファンは客室の空気をシステム内に再循環させ、さらに装備冷却のため空気を再循環させます。再循環された空気の使用はエンジンに必要であるブリードを減少させます。再循環ファンのパワーはユーティリティバスにより供給されます。再循環ファンは通常いつも ON にしておきます。

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56)コンパートメント・テンプ・コントロール・・・・・AUTO
キャビンの前方(FWD)@、中央(MID)A、後方(AFT)Bのブロック毎に温度を調整します。温度制御ノブでそれぞれの客室の温度を調整します。
AUTO位置内で左右に回すことによりそれぞれの客室の温度は自動的に選択した適切な値に維持されます。利用可能範囲は華氏 65 度(C)から 85 度(W)です。
CAさんから客室の温度について連絡がありましたら、これらのノブによって温度を調節してあげてください。
OFFにすると区画温度制御が OFF となり、区画温度はパック放出口温度に調整されます。
温度セレクタ INOP ライトにそれぞれの温度コントローラが OFF、トリムエアスイッチが OFF、あるいは温度コントローラが故障した時に表示計が点灯します。トリムエアスイッチが OFF の時 3 つの INOP ライト全てが点灯します。

 


★これでオーバーヘッドパネルのチェックは終了です。